シーズン終盤の佳境にさしかかっているJリーグと並行する形で、アジアの王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が9月下旬からスタートしている。
日本に与えられているACLの出場権は4枠。J1の上位クラブと、国内で最も歴史のある大会、天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の優勝クラブに与えられる。
そして、昨シーズンの天皇杯を制したのがJ2の18位に甘んじた甲府だった。
天皇杯3回戦で北海道コンサドーレ札幌、4回戦でサガン鳥栖、準々決勝でアビスパ福岡、準決勝で鹿島アントラーズ、そして決勝ではサンフレッチェ広島とJ1勢を次々と連破。大番狂わせを演じ続けた末に甲府は日本一になったのだ。
ACLに出場するJクラブは、左胸に日の丸をつける特別ユニフォームで臨む。甲府も左胸のクラブエンブレムの下に日の丸が刺繍されたユニフォームで、敵地メルボルンに乗り込んだ9月20日には、グループリーグ初戦でメルボルン・シティと0-0で引き分けた。
さらに10月4日、東京・国立競技場にタイの強豪ブリーラム・ユナイテッドを迎えた第2戦では、両チームともに無得点で迎えた後半終了間際に劇的なゴールをゲット。この時点で4チームが集うグループHで、メルボルン・シティと並んで堂々の首位に立った。
J2クラブがACLに臨むのは、同じく天皇杯優勝で出場権を獲得した2006年大会の東京ヴェルディ以来、2クラブ目となる。しかし、このときのヴェルディは2戦2敗、得点0、失点3で敗退した。つまり甲府はACLで勝ち点を手にしただけでなく、『ゴールを決めて、さらに白星をあげた初めてのJ2クラブ』となった。