ずっと昔は航空券は搭乗日に紐づいて処理される仕組みで、エラーがあっても何週間も発見されなかったり、変更されなかったりした。だが現在、航空会社はほんの数秒でエラーを修正することができ、さらに航空券の販売方法も実に多様化している。
航空会社は、顧客の身元、居場所、予約方法に基づいて、価格をパーソナライズしたりカスタマイズしたりすることが容易になった。これにはメリットとデメリットがあるが、使いこなせばメリットは大きい。
航空券ゲットのための2つの新しい方法
今年初の海外旅行に間に合うように、お得な航空券を見つける2つの「新しい」方法を紹介しよう。1.航空会社のアプリは独占価格を提供できる
歴史的に、航空会社の「価格」の問題はシンプルだった。使う媒体、ウェブサイトによって差異はなく、価格設定のスペシャリストが運賃を提示し、その運賃で全席を売り捌けるかどうか、が問題だった。だが現在、カタール航空を含む多くの先進的な航空会社は、特定の場でのみ、航空券の割引を提供している。
そしてそれを知ることこそが、フライトで得するコツである。航空会社のアプリは、航空券をお得に購入するための頼みの綱になりつつある。一度アプリを持てば、新しいオファーの通知を受け取ることができ、継続して利用できるのだ。
「アプリ限定」で価格を下げることは、アプリをダウンロードしてもらう良い餌となる。顧客は年に1、2回しか利用しないかもしれないが、アプリが削除される可能性は低い。
2.「アプリ限定」オファーに注目せよ
「アプリ限定」施策で先行しているのは、ヨーロッパ、中東、アジアを拠点とする航空会社だ。マレーシア航空の最近のセールで、この事実はより明白となった。実際に、マレーシア航空のかつての(少しふるいが、2022年12月の例)「ニューイヤー」セールを見てみよう。[ビジネスクラスキャンペーン] 〜ロンドンからの往復料金〜
<クアラルンプール(KUL)>
1. マレーシア航空ウェブサイト:3315ポンド
2. マレーシア航空アプリ:3200ポンド
<ペナン(PEN)>
1. 3125ポンド
2. 3010ポンド
<ランカウイ(LGK)>
1. 3125ポンド
2. 3010ポンド
<バンコク(BKK)>
1. 3205ポンド
2. 3085ポンド
<プーケット(HKT)>
1. 3205ポンド
2. 3085ポンド
<ホーチミン(SGN)>
1. 3410ポンド
2. 3290ポンド
<ハノイ(HAN)>
1. 3395ポンド
2. 3275ポンド
<デンパサール(DPS)>
1. 3210ポンド
2. 3090ポンド
<マニラ(MNL)>
1. 3220ポンド
2. 3100ポンド
<プノンペン(PNH)>
1. 3410ポンド
2. 3290ポンド
<シンガポール(SIN)>
1. 3210ポンド
2. 3090ポンド
<アデレード(ADL)>
1. 4280ポンド
2. 4125ポンド
<メルボルン(MEL)>
1. 4275ポンド
2. 4125ポンド
<パース(PER)>
1. 4605ポンド
2. 4440ポンド
<シドニー(SYD)>
1. 4285ポンド
2. 4130ポンド
<オークランド(AKL)>
1. 4685ポンド
2. 4520ポンド
並外れて安価とはいえないものの、マレーシア航空のアプリを使って予約するだけで、航空券1枚につき少なくとも100ドル割引になることが見てとれる。今までのところ、他の航空会社ではアプリの使用で10~20%の割引が一般的だった。
見誤ってはいけない。これが、航空券の未来である。日々、より多くの航空会社が、Eメールよりも解約しがたいアプリに顧客を押し込むことで、顧客の定着率と愛着を高めていこうとしていえる
サウスウエスト航空からジェットブルー航空、さらにその先まで、2023年にはこうした「アプリ限定」オファーが拡大することが予想される。無料アプリのダウンロードは、コストカットに支払う代償としてはかなり小さい。