ジム・ライアン退任後のPlayStation、「ライブサービス優先」は変わる?

その旗振り役となっているのが、ソニーが昨年買収したBungie(バンジー)だ。同スタジオは、今最も成功を収めているライブサービスゲームの1つである『Destiny 2』を運営している。さらに新作として、『Marathon』ともう1本のライブサービスゲームを開発中だ(ただ、ソニーの買収契約での取り決めにより、いずれもPS独占ではなくマルチプラットフォーム展開となる)。

同時に、Bungieはソニー傘下の既存スタジオによるマルチプレイゲームの開発も支援している。だが最近の報道によると、BungieはNaughty Dog(ノーティードッグ)が開発中のマルチプレイゲーム『The Last of Us Factions』の出来に満足していないとされ、この取り組みはいくぶん難航している可能性がある。

ライアン退任後は、こうした優先順位は変わるのだろうか。ライブサービス分野の新作ゲームはこのところ失敗作ばかりで、ヒット作は減っている。すべてのゲームにリスクはあるが、ソニーはシングルプレイゲームでヒットが比較的確実に見込めるシリーズを6つほど持っている。一方でライブサービスは、ソニーの強みとは言えない分野だ。

とはいえ、それはマイクロソフトと任天堂を含む3大ゲーム企業すべてに言えることだ。これまで大きな成功を収めたライブサービスゲームは、Riot GamesやEpic Games、Valve、Respawn Entertainmentなどが手掛けたタイトルだった。しかし、ソニーはBungieを手中に収め、マイクロソフトは間もなく『コール オブ デューティ』(シリーズ当初はシングルプレイだったが、時間をかけてライブゲームへと進化している)とブリザードを手にしようとしている。ブリザードは、古株の『World of Warcraft』に加え、『オーバーウォッチ』や『ディアブロ』(ただし同シリーズのライブ要素には難点がある)といったタイトルを抱える。

すでに新作を多数開発中であることから、ソニーがライブサービス強化の方針を撤回することはないだろう。ライアンの退任が、それを加速させるのか、減速させるのかは、まだわからない。だが私は、ソニーが今、崩壊しつつあるバブルに突入しているのではないかとも考えている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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