“解説メインキャスター”として2021年から2年出演した『モーサテ』をはじめとして、現在では『60秒で学べるNews』やYouTube番組「豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス」「豊島晋作のテレ東経済ニュースアカデミー」などでも解説を務める。
特に、ウクライナ侵攻をはじめとする国際情勢に関する解説は人気で、2022年には著書『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」』(KADOKAWA)を上梓した。
“タイパ(タイムパフォーマンス)”が重視される昨今、ものごとを適切に「伝える」にはどうすればよいのか。日々複雑なニュースをわかりやすく伝えている豊島が、そのコツを教えてくれた。
伝えたいことを「引き算」して考える
例えば好きな人に告白するとき、次のどちらが相手に刺さるだろうか。1. あなたが好きです。その理由は5つあります。それは……
2. 実は、最初に会ったときから好きでした。
「僕は、シンプルな後者だと思います。伝えようという気持ちが強くなって、理由をたくさん並べてしまうと逆に伝わらないことが多いですよね」(豊島)
このように“最も伝えたい要素”以外は、引き算することが大切だという。伝えたいことがたくさんある場合でも、要素は3つ程度に絞ると伝わりやすくなる。
「言語的なカルチャーの問題もあるので、国によって多少違いはありますが、日本では3つか4つの要素が定番です。信号も3色ですしね。個人的には、4だと説明しすぎな印象。3よりは2のほうがいいと思っています」
想像力を働かせる「言葉選び」が有効
次のポイントは、伝えたいイメージを、聞き手の頭の中でうまく想像させること。例えば、あなたは次の文章を読んで、どんなイメージを描くだろうか。“収賄疑惑のある政治家を、カメラが追いかけている。建物から出てきた政治家は、押しかけた報道陣を振り切り、そのまま車に乗り込んだ。車は幹線道路を走り出したが、少し先で信号が赤に替わり停車した。すると、追走していたスポーツカーが、政治家の車の横にピタリと止まった。その瞬間、スポーツカーのパワーウィンドウが開き、運転していた女性が政治家の方を睨みつけた——”