リュブリャナはエコな首都として知られているが、驚くべきことにごみ焼却場がない。約20年前はほぼすべてのごみが埋め立てられていたが、自治体を挙げてごみの分別・回収を進め、2014年には「zero-waste」という廃棄ゼロの目標を掲げた。
そんな取り組みが評価され、2016年には「欧州グリーン首都賞」を受賞。環境保全活動が進んでいるヨーロッパの中でも、サステナブルな街づくりが評価されている。
「真のリサイクル」を追求
リュブリャナの特筆すべきポイントは「真のリサイクル」を追求していることだ。
日本のリサイクル率を80%以上とする考え方もあるが、その大半はごみを焼却して熱を利用する「サーマルリサイクル」と言われる処理方法であり、国際的にはリサイクルに含めないことが多い。
その点、リュブリャナは焼却場を使用していないため、本当の意味で再資源化を実現している。
大型リサイクル施設「RCERO」
リュブリャナの「真のリサイクル」を可能にしているのが、2015年に開業した大型のリサイクル施設「RCERO」だ。この施設ではごみを燃やさずに、リュブリャナを含む周辺都市の約70万人分のごみのリサイクルと処理を行っている。
先端技術を活用し、97%以上がアルミ、堆肥、燃料に生まれ変わっているようだ。埋め立てられるのは、わずか2〜3%のみである。
家庭での分別も徹底
リュブリャナの家庭では、ごみ箱を5つ用意して家庭ごみを分別しているそうだ。使用済みの油も容器にとっておき、一定の量が溜まれば処理施設に持ち込んでリサイクルされる。
家庭で分別したごみは外の収集箱に入れる。こうすることで、家庭から出るごみの70%が再利用できるものとして分別できているという。残りの30%は「RCERO」に運ばれる。