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2023.10.01 10:15

日本人のライドシェア意識調査 導入賛成と利用意識のアンバランス

リリースベース(松村)
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ときどき政府が解禁をちらつかせては消えるライドシェア問題。8月には観光地の窮状を指摘し、菅元首相がライドシェア解禁を訴えた。しかし、いまや実質的にグローバルなインフラとなったライドシェアが、どうして日本では受け入れられないのか。紀尾井町戦略研究所のアンケート調査から日本らしい事情が見えてきた。

民間シンクタンク紀尾井町戦略研究所が18歳以上の男女1000人を対象に、ライドシェアに関するアンケート調査を実施した。すると、ライドシェアに賛成、どちらかというと賛成を合わせると45.7パーセント。反対、どちらかというと反対の合計33.9パーセントを上回った。

しかし、解禁された場合に利用したいかとの質問には、なぜか、利用したくない、あまり利用したくないが合わせて過半数となった。利用したくない理由は、事故の際の対応や保証の不安、ドライバーとのトラブル、安全性、サービスの質などがあげられている。どうも、こうした不安は、「白タク」の悪いイメージと重なっているようにも思われる。たとえばライドシェアサービスのUberは、利用者の評価によってドライバーの質を高めるシステムがあり、いい加減なドライバーは通用しないようになっている。

調査対象者のうち、海外でライドシェアを利用したことのある人はわずか5.4パーセント。海外でも利用しないという人が35.2パーセントもいた。つまり、ほとんどの日本人はライドシェアの利便性を知らず、ただ不安がっているというわけだ。

海外でライドシェアを使っていた人たちは、ほぼ口を揃えて日本にライドシェアがないのが不便で仕方ないと話す。とくに訪日外国人は、電車やバスの使い方がわからず、タクシーでは言葉が通じず不便な思いをする。自国でも使っているアプリで空港からすぐにライドシェアサービスが使えるとなれば、どんなに安心感を与えられるか知れない。まずは、利用者の食わず嫌いを克服することが先決だろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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