アジア

2023.09.28 08:00

中国恒大集団の創業者が「警察の監視下に」 破綻懸念に拍車

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中国の不動産開発大手、中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)創業者の許家印会長が、警察の監視下に置かれた。米通信ブルームバーグが27日、報じた。窮地に陥っている同社の存続が改めて疑問視されている。同社が破綻すれば、苦境に立つ中国の不動産業界と経済全体にとって大打撃となる。

ブルームバーグが匿名の関係筋の話として報じたところによると、許会長は今月、警察に連行され、「指定された場所で監視されている」という。監視下に置かれた理由は不明。正式な拘束や逮捕ではなく、今後、刑事訴追されるとは限らない。

監視は最長6カ月で、許会長はその間、外出や、人に会ったり、連絡を取ったりするためには許可を得る必要がある。パスポートや身分証明書は警察が保管する。

許会長が1996年に創業した恒大集団は中国の不動産ブームに乗り、不動産開発分野で数十年にわたり国内大手となってきた。多額の借入に支えられた同社の成長は目覚ましく、電気自動車(EV)や飲料、ストリーミングサービスの事業や、サッカーチームの運営などさまざまな分野に進出した。

だが、負債が膨らむにつれて事業の維持に苦労し、従業員に融資を頼んだり、支払いを未完成の不動産で済ませることさえあった。負債額は3000億ドル(約45兆円)を超えると報じられている。2021年に債務不履行に陥ったことで、中国不動産業界は危機に見舞われ、経済が広範に悪化するとの懸念が広がった。

投資家は恒大集団の今後を注視している。不振にあえぐ中国の不動産業界を象徴する同社は経営破綻の瀬戸際に立っており、再建に取り組んでいるものの、債務の支払いに苦慮している。

中国の警察は現在、同社をめぐる犯罪行為の疑いを捜査しており、今月には金融部門の職員を拘束した。米CNNテレビによると、恒大集団の株価は27日に香港市場で19%下落。今週の下落幅は42%となった。同社の時価総額は2017年10月のピークから99.9%減った。

フォーブスのデータでは、許会長の現在の保有資産は推定32億ドル(約4800億円)。アジアの富豪ランキングでトップだった2017年の推定資産425億ドルから大幅に低下した。許会長は貧しい家庭に生まれ、恒大集団を興す前は鉄鋼工場で働いていた。後に中国共産党を含め、実業家や政治家のエリート層とのパイプを持つようになった。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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