海外

2023.09.29

話題の米カプセルホテル新興企業、規則違反の疑い調査 サンフランシスコ

Brownstone Shared Housing公式サイトより

米サンフランシスコの建築局は、「スリーピング・ポッド」と呼ばれるカプセルホテル型住宅を提供するスタートアップBrownstone Shared Housing(ブラウンストーン・シェアード・ハウジング)について、規則違反があった可能性をめぐる調査を開始した。同社の施設は最近、ソーシャルメディアや地元のニュースで話題を呼んでいた。

調査については、地元紙サンフランシスコ・スタンダードが最初に報道。サンフランシスコ建築検査局の広報担当のパトリック・ハナンはフォーブスに宛てた電子メールで「われわれはこの問題を認識しており、規則違反があるかどうかを判断するために調査を開始した」と述べた。

ブラウンストーン社は、サンフランシスコ以外にも、パロアルトやサンノゼ、ベーカーズフィールドなどのカリフォルニア州の都市でも同様の施設を運営している。

眠る場所は棺桶のように狭いカプセル型で、家賃はWiFiや光熱費込みで月700ドル(約10万4000円)。各施設には、共有のキッチンやリビングルームが併設されている。賃貸物件サイトのZumperによると、サンフランシスコでの1ベッドルームのアパートの家賃中央値は約3000ドルだ。



Pitchbookによると、ブラウンストーン社は昨年末にベンチャーキャピタルのScale VC(現在はRedbud VCに改称)から資金調達を実施(金額は非公開)。フォーブスはRedbud VCにコメントを求めたが、今のところ返答はない。

ブラウンストーン社は6月、サンフランシスコの施設開業を発表したツイートで、28人が入居可能なこの施設は「これまでで最大」のものだとしていた。当時のリンクトイン投稿では、入居者には「ウィスコンシン州からサンフランシスコでのビジネスチャンスを求めてやってきた新卒の大学生や、領事館勤務のデザイナー、AIスタートアップの創業者」が含まれているとされていた。

この施設は、ダウンタウンのBARTパウエル駅に近い12ミントプラザに位置している。不動産情報サイトによると、この建物は住宅用ではなくオフィス用として登録されており、以前はサンフランシスコ火災信用組合の支店が入っていた。

ブラウンストーン社が問題を起こしたのは今回が初めてではない。パロアルト・ウィークリー紙によると、パロアルト当局は昨年、同社が借りて改築したラモナ・ストリートの住宅について、複数の規則違反があったとして、不動産所有者に対し是正を命じた。

パロアルト当局の担当者はフォーブスの電子メール取材に対し、ブラウンストーン社は立ち退きの際、規則違反にすべて対処しており、「現在はその物件とは無関係だ」と述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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