エコラボのシニア・バイスプレジデント兼最高サステナビリティ責任者エミリオ・テヌータは声明のなかで「産業界が議論の席につき、地域社会を守るための気候と水の解決策を提唱・策定しなければ、十分な対策がとられていないという消費者心理が今後も煽られ続けることになる」と述べている。
「水とその現在進行形の危機に対する消費者の認識に的を絞ったエコラボ・ウォーターマーク調査は、地球規模の重要課題にうまく対処するために、政府、企業、NGOさらには個人といった利害関係者が、どのような面で、どのように協力できるのかについて、他にはない知見を提供するものだ」
コンサルティング会社Water Foundry(ウォーター・ファウンドリー)の創業者兼最高経営責任者ウィル・サルニがEメールで述べたところによれば、顧客と消費者に真に問うべきは、21世紀のインフラと公共政策を通じて、安全な飲用水へのアクセスに実際に金を払うつもりがあるのかという問いだという。
一方「民間セクターにとってのチャンスは、自分たちの最善の行動を活用することにあると私は考えている。すなわち、イノベーションや投資、そして従業員やコミュニティと力を合わせて、水という課題に対処し、経済発展やビジネスの成長、生態系の保全、社会福祉に影響を与えることだ」とサルニは続けた。
エコラボの調査に先立つ9月前半には、国際NGOの世界自然保護基金(WWF)も、新たな調査結果を発表している。そして、過去数十年にわたる不適切な水管理と、淡水生態系の悪化により、欧州の自然と人間がますます水不足に苦しむようになっていると警告している。
WWFは、気候変動に対応するための新たな政策を求めている。つまり、自然を基礎にしたソリューションを優先させ、欧州の人々を干ばつなどの気候ハザードから守るための政策だ。
さらにWWFは、欧州委員会(EC)が2022年6月に提案した、欧州全域で生態系を回復するための自然再生法(Nature Restoration Law)の迅速な採択も促している。これは、障壁の撤去により河川が自由に流れるようにすることや、湿地や氾濫原を回復させることなどを目指している。
WWFの水政策担当シニアアドバイザーを務めるクレア・バファートは声明のなかで「氾濫原や湿地、自由に流れる河川、地下水といった、自然環境に存在する水を保つため、自然環境を回復させ始めることが必要だ。もし我々がそれに取りかからないとしたら、農業、飲用水、健全な生態系の維持に必要な水が深刻に不足してしまう未来に直面することになる」と述べている。
(forbes.com 原文)