健康

2023.09.28 14:00

血中アルコール濃度を下げる機能性飲料、米国で発売へ

Shutterstock.com

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血中アルコールデトックス(解毒)の機能性飲料として世界初となる特許を取得した「Safety Shot(セーフティ・ショット)」が、米国で年内に発売される。摂取から1時間以内に血中アルコール濃度を下げ、中枢神経系と運動皮質の活動と認知機能を改善するものとされで、大きな注目を集めている。

セーフティ・ショットは、科学的に証明された原材料を使用し、医師が開発した。天然のビタミンとミネラル、認知能力を向上させる作用を持つ「ヌートロピクス(Nootropics)」の組み合わせによって、血中アルコール濃度を低下させ、再水和作用と回復を促すことで、飲酒後の中毒状態と、精神的な明晰さの回復が早まるという。

販売元のSafety Shot社はその仕組みについて、「血中のアルコールを分解する代謝経路を強化し、同時に胃壁に保護シールドを作ることで、さらなるアルコールの吸収を抑制する」と説明している。

医薬品としての販売も視野

セーフティ・ショットは、短時間での大量飲酒の悪影響を和らげ、病院に緊急搬送される人を減らすことに役立つと期待されている。

Safety Shot社は、この機能性飲料を濃縮して投与しやすい形態に変更し、アルコール中毒と関連死を防ぐための医薬品として病院や救急現場に提供することも目指している。最高科学責任者(CSO)のグリン・ウィルソン博士は、米食品医薬品局(FDA)に新薬臨床試験開始(IND)申請を行う考えを明らかにしている。

アルコール中毒は、肝臓のアルコール処理速度を上回るペースで飲酒したときに起こる。呼吸が困難になり、体温が低下し、心拍数が増加し、さらに絞扼(こうやく)反射(吐物を伴わない嘔吐様の反射)が起こり、永久的な脳損傷や死につながる場合もある。

米国では2017~2020年、アルコール中毒による平均年間死者数は約2500人だった。また、2018~20年に起きたアルコール関連の病院への緊急搬送は年間100万件前後となっている。

米疾病対策センター(CDC)によると、暴飲による仕事の生産性の低下や医療費、刑事司法制度にかかる負担、その他のコストによる米国の経済的損失は、2010年には約1910 億ドル(現在の為替レートで約28兆4500億円)にのぼったと推定されるという。

市場の急成長に期待

二日酔い対策製品の市場は世界的に急成長しており、特にZ世代とミレニアル世代で人気が高い。2023~2030年に予想される年平均成長率(CAGR)は14.8%で、2030年には60億ドルを超える規模になると予想されている。

セーフティ・ショットは、この市場の新カテゴリーである「急速アルコールデトックス製品」に加わることになる。米国での販売価格は、335ミリリットル缶1本で4.99ドル、4本パックで19.99ドルだ。

米ナスダック市場に上場するSafety Shot社は、この機能性飲料を開発したGBB Drink Lab Inc.を今年8月に買収。9月15日付で社名をJupiter Wellness(ジュピター・ウェルネス)からSafety Shot Inc.に変更した。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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