経営・戦略

2023.10.04 09:00

リーダーは「組織の自由度」をどのように定めるべきなのか?

鈴木 奈央
これはそもそも組織が持っているカルチャーやリーダーの考え方にも影響する場合が多い。

いくつかの国籍の会社を経験し、現在ヨーロッパ企業にいる僕の感覚的には、原則やガイドラインが多めでルールは少ない。だからこそ柔軟性は高いし、変化への対応も早い。一方で、ルールの多い企業は、ルール検討の際に起こりうる可能性を洗い出す作業を行うことが多いので意思決定は遅いが、継続性の高いルールが存在する。

永続的なものはない

経営レベルに限らず意思決定することが仕事であるリーダーは、どんな小さなことでも、その意思決定がもたらす影響をこのフレームワークに当てはめて考えてみてほしい。今の自分のチームに必要なものはなにか。どれを選ぶかのよってチームカルチャー、人の育ち方、思考方法のすべてが変わってくる。
 
また、ある意思決定において選んだ選択肢が、他の意思決定でも有効なわけではなく、永続的なものでもない。組織も市場も変化し続けているし、意思決定の性質も毎回異なるはずだ。営業成績に関わることなのか、コンプライアンスに関わることなのかによっても大きく異なる。
ロンドンビジネススクールで組織行動学の研究をしているダニエル・M・ケーブル教授は、チームメンバーが自由に実験できるスペース=自由を与えることが探求脳を鍛えるのに役立つと言っている。そのスペースの大きさ=枠組みを適切に決めるのが、リーダーにとって重要な仕事なのである。

文=西野雄介

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