私たちはスマートフォンが時折、熱を持つことに慣れているがiPhone 15シリーズについては、事態はより深刻かもしれない。ニュースサイト9to5Macは9月26日「iPhone 15がオーバーヒートするという報告が広く出回っており、全モデルに渡っているようだ」と報じた。
韓国のユーチューバーのBullsLabは、赤外線カメラを用いてiPhoneの温度を測定した際の動画を公開している。彼は、ゲームをしたりベンチマークテストなどの負荷の高い処理を行ったところ、端末の表面温度が摂氏46.7度に達したと述べている。
香港のTF International Securitiesのアナリストのクオは、この問題に関してコメントし「発熱問題は、iPhone 15 Proに搭載されたTSMCの高度な3nmノードとは無関係だ」と述べている。つまり、この問題は最新型のA17 Proチップが原因ではないというのが彼の見方だ。
発熱問題は、iPhone 15とiPhone 15 Plusでも報告されており、この2機種にはA17 Proチップが搭載されていないことを考えると、クオの分析は理に適っている。
では、何が原因なのだろうか? 「主な原因は、放熱面積の減少やチタンフレームの使用など、軽量化を達成するために熱システム設計に妥協が加えられたことである可能性が高い」とクオは指摘している。
筆者はクオを尊敬しているが、アップルが新端末のハードウェアを徹底的にテストしなかった可能性は低いと考えている。クオもこの問題がソフトウェアを通じて改善される可能性を示唆している。しかし、彼はこうも述べている。
「アップルがソフトウェアのアップデートを通じてこの問題に対処することは予想されるが、アップルがプロセッサの性能を下げない限り、改善は限定的かもしれない。アップルがこの問題に適切に対処しない場合、iPhone 15 Proシリーズの製品ライフサイクルにわたって出荷に悪影響を及ぼす可能性がある」
発熱問題がどの程度広がっているかは、現状ではまだ定かではなく、一部の端末のみに発生した問題である可能性もある。しかし、アップルがこの問題にすばやく対処したいと考えていることは確かだろう。
(forbes.com 原文)