セサミの25日の発表によると、同社のプラットフォームで利用できる幅広い外来医療をコストコの会員向けに「特別割引料金」で提供する提携を結んだ。これに関してはブルームバーグが最初に報じた。
コストコの診療サービスは、米薬局大手のウォルグリーンが米ヘルステック企業のビレッジMDと組んで提供しているような店舗内のクリニックではない。会員は全米50州の「数千の外来医療提供者」と米国の消費者をつなぐセサミのマーケットプレイスを訪れて、そこで診察の予約などができるようになる。
セサミの広報担当者によると、同社のプラットフォームにはオンライン診療を受け付けている医師だけでなく、対面での診療に対応した医師も登録している。
「セサミのマーケットプレイスは、プライマリーケアに携わる医師と診療看護師、40を超える医療専門分野、ラボ、画像センターで構成され、バーチャル診療と対面診療の両方を包含しています」(同社)
米小売業界では診療サービス分野への進出が続いている。ウォルマートは医師常駐のクリニックを数十カ所設けており、薬局のCVSヘルスは簡易診療所の「ミニットクリニック」を店舗に併設している。
CVSヘルスはさらに今年、高齢者診療所を運営する米オーク・ストリート・ヘルスをおよそ100億ドル(約1兆4900億円)で買収した。アマゾンは今年、オンラインと対面に対応したサブスクリプション(定額制)診療サービスを提供する米ワン・メディカルの40億ドル(約6000億円)近くでの買収を完了している。
セサミの広報担当者によると、同社とコストコは当面、予約の大多数はオンライン診療になると見込んでいるが、コストコの会員は対面診療を予約した場合も、提示されている料金から一律10%の割引を受けられる。
セサミは「コンシューマー・ヘルスケア分野に初めてマーケットプレイスのダイナミクスを持ち込むことで、患者の保険加入状況にかかわらず、医療提供者が患者へのサービスを実際に競い合う環境をつくり出しました」と説明。こうした競争の結果、診療価格は下がり、価格の透明性も向上し、患者は医療提供者に手軽にアクセスでき、さらには高評価の医療提供者によって質の高い消費者体験が確保されると述べている。
(forbes.com 原文)