ヘルスケア

2023.09.27 11:00

クイーンの曲でインスリン分泌誘発 新たな糖尿病コントロール法を開発

1985年1月、ブラジル・リオデジャネイロのロックフェスで演奏するクイーンのフレディ・マーキュリーとブライアン・メイ(Dave Hogan/Hulton Archive/Getty Images)


音楽が流れる環境で意図せずインスリン分泌が誘発されないことを確認するため、研究チームはマウスが自由に歩き回れる「マウス専用ディスコ」を用意し、マウスに直接触れない位置にあるスピーカーからこれまで実験で使った音楽を聞かせた。また、飛行機や芝刈り機などの騒音も大音量で流したが、いずれもインスリンは分泌されなかった。
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このデザイン細胞は、インスリンを放出した後、次の放出に必要な量のインスリンを生成するのに約4時間かかる。このため、4時間以上の間隔を置いて規則正しく食事をとる人の血糖コントロールに効果的だという。

ただ、この手法はまだ人間に適用できる段階ではない。今回の実験は、原理が作用するかを検証する概念実証だった。臨床応用までにはまだまだ長い道のりがあり、この方法が人体内で長期的にうまく機能する保証もない。それでも、糖尿病患者が必要なときに必要なだけのインスリンを容易に得られる新しい方法を、研究者たちが常に模索しているのは事実だ。

糖尿病の治療法としてロック音楽のプレイリストが処方される日が、いつか来るかもしれない。
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forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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