「人生の後半に子どもを持つ」ことを考える人への心理学者からのアドバイス

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子どもを持つか持たないかは、人生で直面する最も重要な決断の1つだ。どの親に聞いても、親になるための準備をすべて整える方法などないと答えるだろう。

しかし、人生の遅い時期に子どもを持つことは、その状況を変えるだろうか? 40代、50代あるいはそれ以降に初めてあるいは再び親になることを考えている人たちが考慮すべき3つの心理学的要因を挙げる。

1. どんなタイプの幸福を求めているのか?

幸福に関する科学文献は、幸福を2つのタイプに分けることが多い。「この瞬間の幸福(in-the-moment happiness)」は、即座に得られる満足に由来するもので、チョコレートを食べたり、寒い日に熱いシャワーを浴びることなどがこれに当たる。

もう1つ、人生の意味や達成感に関連する概念に「内省的な幸福(reflective happiness)」がある。このタイプの幸福を経験するのは、目標を達成したり、誇りに思えるものを作り出したときだ。それは「この瞬間の幸福」ほど状況を変えるものではないかもしれないが、その効果は同じように強力であり、長期的には特にそうだ。

当然ながら、子どもを持つことは人の内省的な幸福感を高めるが、それはこの瞬間の幸福を犠牲にすることによって得られると研究は示唆している(思い出してほしい、午前2時に起こされ、車中で吐いた後始末をし、立て続けにオムツを変えるのは楽しいことではない。しかし、子どもが新しいことを学んだりすばらしいことを達成した時に親が感じる誇りは、何物にも変えることができない)。

幸福の1つのかたちを別のものより優先することに何の間違いもない。それは個人の好みの問題だ。ただし、新しくあるいは再び、親になろうとするあなたの決断が、現在のライフステージの幸福目標と間違いなく一致していることを確かめる必要がある。

2. あなたの忍耐レベルは?

子育てには山ほどの忍耐がともなう。子どもを保護し、見守り、育て、教える18年間(おそらくそれ以上)の旅に出る忍耐力を、自分が持っているかどうか、正直に自問することが大切だ。

誰もが異なる忍耐の指標を持っていて、忍耐レベルは人生を通じて高低を繰り返す。あなた自身の人生で、忍耐力が特に高かったり低かったりした時期があったことを思い出すかもしれない。おそらくそれは、あなたが経験した生活の変化やストレス要因と時期が一致しているだろう。
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翻訳=高橋信夫

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