4〜5年かけて完成した、人生が変わる?! 話題の書籍
安川氏の会社名「Great Journey」とは、アフリカで生まれた現生人類(ホモ・サピエンス)が世界中に広がっていった「偉大な旅」のこと。これが新著『BRAIN WORKOUT』と大きく関係しているという。本書は、脳の働きを人類の進化の歴史の視点から6つのフレームワークに分け、それぞれに具体的なメニューを提案。知的生産技術として、実践してもらうことを念頭に書かれたビジネス書だ。谷本有香(以下、谷本):今日は、安川さんの初めてのご著書について伺わせて下さい。
安川新一郎(以下、安川):本というパッケージで、自分の考えを整理するのが全く初めての作業でした。私は自分の知的パフォーマンスの向上をテーマにずっと探究を行ってきて、読書やリサーチを続けているうちに結構な知見が溜まっていたので、それを本として出してはどうかと言われました。しかし、膨大な情報量をどう繋げていくかを考えているうちに、出版まで4〜5年かかっちゃったんです。
私はIT業界に長くいて、ソフトバンク時代、ブロードバンド、モバイルインターネット、スマートフォン、そしてAIなど、テクノロジーが社会実装されて人間のライフスタイルが大きく変わっていくのを目の当たりにしてきました。自身は、孫正義社長や一緒に仕事をした弟の孫泰蔵さんの影響もあって、物事を大局から俯瞰して本質を考える思考の癖がついています。ヘルスケアを考える時も、新しい情報メディアが人に与える影響を考える時も、人類史や文化人類学の本を読んで本質から考えようとしてきました。
たまたまですが、ここ数年、世の中もユヴァル・ノル・ハラリの『サピエンス全史』やビル・ゲイツが宇宙誕生からの「ビッグヒストリー」を参考にするなど、経営者や政治家が、人類史や自然科学から俯瞰して考える傾向が強まってきている気がします。人類が大きな変曲点に来ている証だと思っています。