米国内でのチケット売り上げが伸び悩み、テレビ局からの収入が頭打ちになる中、NFLは2027年までに収益を250億ドルに引き上げるという目標を発表した。これは2022年の収益を35%上回る数字で、この目標を実現するためには、新たな市場の開拓が必要だ。
各チームは今年、海外で5試合を行う予定だが、専門家によると、米国独自のスポーツであるNFLがNBAやMLBなどと同じ海外での成功を実現することは、かなり難しいという。
NFLの執行副社長のピーター・オライリーは9月24日のESPNのインタビューで「スペインとブラジルで来年にも試合を開催する予定だ」と語り、この2カ国ではNFLに対する関心が高まっていると述べた。
ブラジルとスペインはマイアミ・ドルフィンズの国際販売権を持ち、スペインはシカゴ・ベアーズの販売権も持っている。
「昨年ブラジルで開催したスーパーボウルの観戦パーティは満員で、エネルギーにあふれていた」とオライリーはESPNに語った。彼は、将来的に米東海岸とは14時間の時差があるオーストラリアで試合を開催したいと述べている。
NFLはここ数年、ロンドンでの新たなフランチャイズの設立やチームの移転を話し合ってきた。中でもロンドン在住のビリオネアのシャヒド・カーンが所有するジャクソンビル・ジャガーズが移転する可能性が最も高いと見られてきた。2017年には、同チームがロンドンにトレーニング施設を建設するとの噂が流れ、カーンは2018年にウェンブリー・スタジアムの買収を申し出たが、後に撤回したと報じられている。
NFLは2007年から国際試合を開催しているが、近年は国外での試合はロンドンが中心で、メキシコシティやミュンヘンで開催されることもある。今シーズンのNFLは、ドイツで2試合、ロンドンで3試合の計5つの海外試合を行う。
昨年ミュンヘンで行われたシアトル・シーホークス対タンパベイ・バッカニアーズの試合は580万人の視聴者を集め、国際試合の記録を更新した。
(forbes.com 原文)