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2023.09.26 08:00

世界で有り余るワイン、Y世代とZ世代はワインを飲まない

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裕福なワイン通がロマネ・コンティの最新ヴィンテージ1本に2万8000ドル(約415万円)を費やしたり、ナパ・バレーのスクリーミング・イーグルを1本3700ドル(約55万円)で買ったりしている一方で、一般のワイン愛好家はこの50年間に例のないほど数も種類も豊富なワインを手頃な価格で入手できるようになった。
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それは主に、世界に驚くほど大量のワインが過剰供給されているためだ。オーストラリア産ワインだけでも木箱2億5600万個、すなわち2年分以上の在庫を抱えている。欧州連合(EU)は今年6月、フランスにワイン約8000万ガロン(約3.6億リットル)の廃棄費用として約1億7200万ドル(約255億円)を拠出した。廃棄されたワインは蒸留して純アルコールを取り出し、香水や洗浄剤に活用される。

以前から廃棄ワインは大量に存在し、多くの醸造所が助成金獲得の手段としてきた。しかし今、問題は世界各地の大手ワインメーカーにも波及し、ブドウとワインの価格は急激に下落している。

理由は簡単だ。まず、ワイン生産国がかつてなく増えた。フランス、イタリア、スペイン、ドイツに加え、ルーマニア、クロアチア、ハンガリー、ジョージアなど旧ソ連の抑圧が消えた旧共産圏諸国でも生産が拡大している。新世界ワインも、南米やオーストラリア、ニュージーランドで増産が続き、大規模生産地の米カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州に今やテキサス州、バージニア州、ニューメキシコ州も加わった。
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皮肉なことに、温度管理されたステンレス製タンクや遺伝子組み換えなど生産技術の驚異的な進歩によって、10年前には考えられなかった多くの地域で良質なワインが作れるようになった。同様に皮肉なのは、気候変動と温暖化が各地のテロワール(ブドウを育む土地の個性)を脅かす一方で、英国のように冷涼な気候の産地の積極的な市場参入を後押ししている点だ。

次に、ワインメーカーはロシアと中国が無限の可能性を秘めた新市場になると期待していたが、それは幻想にすぎなかった。ワイン電子取引プラットフォームVINEXの創業者デニス・ホーナブルックは、業界紙メニンガーズ・インターナショナルに「中国とロシアは余剰供給を吸収してきた2大市場だが、どちらも現在は輸出先として検討されていない」と語っている。中国では経済状況の悪化と少子化により需要が落ち込んでおり、ロシアはウクライナ侵攻をめぐる制裁で輸出が止まった。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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