キャッシュアウト寸前で孤軍奮闘し、450万DLを達成。
NauNauは今や450万ユーザーを抱えるZ世代人気No.1アプリとなっているが、最初は苦労の連続であったという。リリース当初は反響があまりなかったため、TwitterやInstagramでインフルエンサーにDM営業を行う日々が続いた。また地図アプリの特性上、ユーザーが動く度に位置情報データがサーバーに保存されサーバー代も嵩む。電話番号の認証代や地図のサーバー代。アクセス毎に費用は嵩みサーバー代はついに1000万円近くまでに達したこともあった。そんな中でも、徐々にインフルエンサーマーケティングが成果を上げ、NauNauは国内外450万ダウンロードを突破する人気アプリまで上り詰めていった。
10億でモバイルファクトリー社に売却
5月30日、同社はモバイルファクトリー社と株式譲渡契約および株式交換契約を10億で締結した。「同じく位置情報共有アプリを運営するモバイルファクトリー社と、以前から何か共創できないかという話は出ていました。そして実際に一度事業提携を行い議論をする中で、先方からオファーをいただき売却に至りました」
売却発表後、モバイルファクトリー社の株価は右肩上がりだ。今後は更なる株価向上に向けて高みを目指していく。
日本のイーロンマスクを目指す。今後の野望
2004年には世界最大の SNS「Facebook」がリリースされ、2012年にはInstagramが登場した。わずか10年余りの間で人々の結びつきを一変させたSNSアプリ。そんな中、SNSネイティブ世代が抱く本音は「気軽に発信をしたいけど投稿がしづらい」こと。SNSで発信はしたいけれど公に発信はしたくない。分かる人にだけ気づいて欲しい。そんな気持ちを抱えるユーザーが最終的に辿り着くのが、投稿しなくても発信できるSNS「NauNau」だ。位置情報共有アプリは相手の位置情報をもとに、どこで何をしているのかをユーザーが推測できる。つまり、投稿をせずに相手の今が知れるアプリなのだ。「皆相手が何してるかをすごく気にしているんですよね。そこで相手が今何をしているかを極限まで分かるようにしていきたいと思っています。発信がしやすくて投稿をしなくても発信できる。そんなSNSを目指しています」
会社売却を達成した現在、片岡氏は次なる挑戦についてこのように語る。「私が目指しているのはイーロンマスクです。日本から世界へ挑戦し、今後世界で一番利用されるアプリを作っていきたいです」
NauNauの構想は机上の理論ではなく、幼少期から今に至るまでの自身の体験、そしてアプリを通してより多くの人に楽しんでもらいたいという熱狂の源泉より生まれた。片岡氏の取り組みが、今後新たなSNS時代の転換期として幕を開ける。