北米

2023.09.25 13:30

世界で2例目の「ブタからヒトへの心臓移植」、米国で実施

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米メリーランド大学メディカルセンターは9月22日、末期の心臓病を患う58歳の男性にブタの心臓を移植することに成功したと発表した。医師たちは、今回が世界で2例目とされる種を超えた臓器移植が、末期の心臓病患者を救う画期的手段となることを期待している。
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20日に手術を受けた男性は、その2日後に自力で呼吸ができるようになり、新たな心臓は補助装置なしで正常に機能していると医師たちは発表した。

手術に用いられたブタの心臓は、拒絶反応を防ぐために遺伝子改変を加えたもので、医師たちは術後の患者に免疫反応を抑制するための薬剤を投与しているという。

医師団の説明によると、ローレンス・フォーセットという名前の患者は、重度の末梢血管の疾患によって人間の心臓移植に不適格と判断され、この処置が唯一の実行可能な選択肢だったという。フォーセットは手術前「私にはこの手術が残された唯一の希望だ。何が起きるかはわからないが、少なくとも今は希望があるし、チャンスもある」と述べたと報じられている。
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手術を行ったバートリー・グリフィス医師は「彼の勇気にとても感謝している」と述べ、この手術がこの分野の理解を深めるのに役立つだろうと語った。

メリーランド大学のチームは、昨年1月に同様の心臓移植手術を成功させたが、患者は2カ月後に死亡していた。それでも医師らは、この手術を部分的な勝利と呼び、患者が愛する人たちと過ごす時間を増やせたと述べていた。

米保健資源事業局によると、現在約11万人の米国人が臓器移植を待っており、毎年6000人以上の患者が移植を受ける前に命を落としている。異種移植への期待は高まりつつあるが、この手術は動物が持つ未知の病原体を患者に感染させる可能性があり、致命的な免疫反応を引き起こすリスクも指摘されている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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