米シスコ、AI活用のセキュリティ企業Splunkを280億ドルで買収

Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images

シリコンバレーのIT大手シスコシステムズは9月21日、アナリティクスと人工知能(AI)を駆使したサイバーセキュリティ企業のSplunk(スプランク)を、280億ドル(約4兆円)で買収することで合意したと発表した。この買収は、シスコの創業以来で最大規模で、AI関連でも最大規模のものと言える。

シスコは1株当たり現金157ドルを支払うと発表した。これは、20日のスプランクの終値(119.59ドル)に対して31%のプレミアムを意味する。

この買収により、シスコは「AIを活用した次世代のセキュリティとサービス監視のプラットフォームを構築することになる」と、シスコのチャック・ロビンスCEOは声明で述べた。

シスコの株価は時間外取引で4%下落したが、スプランクの株価は20%上昇した。

時価総額が約2200億ドルのシスコの昨年の純利益は126億ドルで、世界最大かつ最も収益性の高いハイテク企業の1つに挙げられる。一方、2003年の設立で2012年に上場したスプランクは、前四半期に6300万ドルの損失を計上していた。

スプランクの株価は、AIブームを受けて今年40%近く上昇したが、2020年のピーク時の水準を50%近く下回っていた。PwCによると今年の上半期の世界のM&Aの総取引高は、2020年上半期以降で最低の水準に落ち込んだという。

ウェドブッシュ証券のアナリストのダン・アイブズによると、最近のM&Aの停滞は驚くべきことだが、シスコとスプランクのディールは「AI革命がゲームを変えた」ことを示しているという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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