経営・戦略

2023.10.08 14:00

秋田の夏に「赤黄のパラソル×おばあちゃん」。児玉冷菓ババヘラアイスの危機

高齢者こそ欲しいという業態、活かせないか


「若い売り子さんをアネヘラとか、ギャルヘラとか呼ぶのですが、若い人たちが、何時間も暑い中で立って売る、この仕事をやりたいって言ってくれるのはありがたいです。サッカーチームの応援カラーのアイスや、これまでになかったイベントなども未来にもつながっていく話ですから、若い世代の売り子さんのことも今後考えていきたいです。本当に、時代にあった可能性ある話が多くあります」

秋田の舞妓さん監修のアイスや、NPO、スポーツとのコラボ。児玉冷菓のババヘラアイスとして、今までに、全くなかった新たなプロジェクトを同時に数多く推し進めている。そして、その大元にあるのは、やはりこれまでもこれからもパラソルの下でアイスを盛る「ババ」たちの姿だろう。

「この世の中で新卒がみんな欲しいなか、うちは高齢者が欲しいわけです。これを全国に広げられたら少子高齢化の問題にも貢献できるかもしれない、トライしたい仕事です。生きがいだって言ってくれておばあちゃんが元気になる仕事ですし。ババはアイドルみたいな存在です、売り子さんもお客も元気になれます」

やりたいこと、そしてやるべきことを実現する方法を考えながら少年の目と笑顔で「ババはすごい」と言う専務・児玉勇雅さんは、学ぶことを忘れたくないという。

「私は28歳になりましたが、この仕事で関わる人たちはほぼ全員が目上の方になります。本当に情熱を持った尊敬できる方ばかりで刺激を受ける日々です。秋田の文化で“外”に出ていくことと、この男鹿という土地の会社、この文化を生む“中”を守ることの両方をやっていきたい、ここでやれることを全部、形にして行きます」

アイスを手に、甘いだけじゃない多くのことを守り、作り、先を見る。夏を超えて先を見ている。


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株式会社児玉冷菓

文=畠山美咲 写真=菅野証 Sho SUGANO/PHOTOX

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