外観もエンジンの配置もアメリカ車離れしているし、パワーも強烈だし、しかもハンドリングは欧州のスーパーカー並みになっている。でも、いうまでもなく今回の主役はエンジンそのものだね。
フロントエンジンからミッドシップに生まれ変わったZ06は、チタン製のインテーク・バルブとコンロッド、ナトリウム封入のエキゾースト・バルブ、8600rpmのレッドラインなど、アメリカン・ブランドにとっては、今までに見たことのないエキゾチックさを誇る。
確かに、今までのコルベットは迫力はあったし、動物的だった。でも、エンジンの性能、コーナリング性能、それにルックスは「20世紀」のままだった。コルベットは欧州スーパーカーと戦いたかった。でも戦うには、全てを変えなければならない。ルックス、エンジンの配置と性能、コーナリング性能、そして今までの左ハンドルに加えて初の右ハンドルを追加した。先代のフロントエンジンのZ06と、ミッドシップエンジン搭載の新型Z06を動物に例えると、サイがチーターに変身したような感覚といえよう。それだけ、新しいコルベットのハンドリングが良いということだ。
Z06のボディのデザインは、普通のコルベットとはどう違うか? 正直なところ、そんなに変わらない。でも、グリルとフロント・スプリッターはもっと大きく、リアウィングはよりアグレッシブで効果的になった。しかもボディが9cmほど幅が広くなっているので迫力を増した。