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2023.09.25 09:00

バナナを葉枯病から守る、米スタートアップの高精度ドローン

Pykaプレスリリースより

常温保存できるバナナは、カリウムが豊富に含まれ、子どもにも優しい果物だ。米国では1人あたりの供給量が3番目に多く、生のまま消費される割合が最も多いフルーツとなっている。

熱帯性気候の地域でのみ栽培が可能なバナナは、主に海上輸送で遠方の市場に運ばれている。この輸送方法は効率が良く、温室効果ガスの排出量が少ない上、バックホール(帰り便にも貨物を積んで出港地に戻ること)で収入を得ることも可能だ。

現在の輸送システムは、1950 年代に「パナマ病」を引き起こした病原性真菌によって甚大な被害を受けたバナナ産業を救い、主流となった「キャベンディッシュ種」の輸送を基盤に構築され、細部まで綿密に調整されている。

このシステムのもと、キャベンディッシュ種のバナナは皮が緑色の未熟な「適切な」タイミングで収穫され、特定の温度を保って輸送され、バナナ自体からも発せられるエチレンガス(植物ホルモン)を充満させた「熟成室」に送り届けられ、そして店舗で販売される。

ただし、こうした輸送が可能になるのは、バナナが「黒シガトカ病」にかかっていない場合に限られる。葉枯病である黒シガトカ病にかかった木から収穫されたバナナは、船上で熟成が進む。そのため目的地への到着時には、同じコンテナに積まれたすべてのバナナが「真っ黒」になってしまう。

現在のところ、この病気の広がりを抑えるためできる対策は、プランテーションで栽培されているバナナにほぼ毎週、空中から殺菌剤を散布することだけだ。そのため業界は、ドローンによる散布に高い関心を寄せている。

高精度ドローンへの期待

2017年創業の米スタートアップ、Pyka(ピカ)は青果大手Dole(ドール)と提携し、バナナの生産システムにおいて重要な役割を担う殺菌剤の散布用ドローンを開発している。先ごろ発表されたプレスリリースによると、フェーズ1のテストでは、非常に有望な結果が得られたという。
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編集=木内涼子

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