FRBの意見
直近のFRB幹部からの発言は、金利がすでに高いレベルに達していることを踏まえ、金融政策のかじ取りに関しては、抑制的な姿勢やリスク管理、データをもとにした判断といった色が濃くなっている。6月時点でのFRBの四半期経済予測は、2023年内にもう2回の利上げ実施を示唆するものだった。だが、最近の幹部のコメントを見る限り、一部の金融政策立案者は、2023年内のさらなる利上げに以前ほど乗り気ではないようだ。
今回発表された最新の四半期経済予測では、FOMC参加者19人のうち12人が、年内あと1回の利上げを支持していることが示された。FOMC全体としては、インフレ抑制の継続を確実にしたいと考えていることが浮き彫りとなったかたちだ。
注目すべきデータ
今後の鍵を握る注目すべきデータは、インフレに関する報告だ。これらの数字の中でも、FRBはサービス価格の上昇が収まり、住宅価格が落ち着くことを望んでいる。現時点でエネルギー価格は全体的な上昇傾向にあり、これがヘッドラインインフレ率をさらに押し上げる可能性がある。だが、今のところFRBは、エネルギー価格のボラリティリティ上昇については容認するつもりのようだ。
もう1つ重要なのは、失業率関連のデータだ。2021年以降、労働市場はかなり順調な状態が続いてきたとFRBは認識している。ゆえに、ある程度の調整は、金融政策立案者から、インフレを抑制するための方策の1つとして歓迎されるだろう。ただし、米国経済が景気後退に転じるほどの大幅な沈静化は望まれていない。
今後の見通し
金利は、今回のサイクルにおける上限に非常に近づいている可能性が高い。それでも、今後入ってくる経済関連のデータで、インフレ率が目標値である2%レベルに戻りつつあるとの確信を得られなかった場合、FRBは2023年内のさらなる利上げを示唆するかもしれない。それは、今回のサイクルでは最後の利上げになるかもしれない。あるいは、今後入ってくる経済データが予想を上回るものだった場合、7月に実施された利上げが最後になる可能性もある。
(forbes.com 原文)