ヘルスケア

2023.09.22 12:00

「超加工食品」でうつ病リスク増加か 特に人工甘味料で高い関連性

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高度に加工された「超加工食品」を食べると、うつ病を発症するリスクが高まる可能性があるとする研究論文が20日、学術誌JAMA Network Openで発表された。特に人工甘味料はうつ病との関連性が高かったという。

食品のほとんどはある程度加工されているが、スナックや冷凍食品などの「超加工食品」には通常、分離タンパク質や水素添加油脂、高果糖コーンシロップ、合成添加物など、家庭で調理した食事にはほとんど使われない成分が含まれており、肥満、がん、糖尿病など多くの健康問題と関連していることがこれまでにも指摘されていた。

研究チームは、約3万2000人の中年女性を対象に、2003~17年の期間で4年ごとにアンケートを実施し、その食生活を評価。超加工食品の摂取量に応じて5つのグループに分けた。

うつ病の定義としては、医師による診断と抗うつ薬常用の両方があることを条件とする狭い定義と、医師の診断あるいは抗うつ薬の使用のいずれかがあることを条件とする広い定義の2通りを使用。うつ病リスク要因となる身体活動、飲酒、喫煙、他の健康問題、年齢などを考慮した上で、食事とうつ病発症リスクとの関連性を調べた。


狭義のうつ病発症例は2122件で、超加工食品の摂取量が最も多かった20%の人々(1日9食分以上)では、もっとも少ない20%の人々(1日4食分以下)に比べてうつ病のリスクが49%高かった。広義のうつ病だと、この差は34%だった。

超加工食品の種別に見ると、人工甘味料や人工甘味料入り飲料との関連性が特に高く、摂取量が最多のグループは最少のグループに比べてうつ病のリスクがそれぞれ26%、37%高かった。

論文執筆者の1人である米ハーバード大学医学大学院のアンドリュー・チャン教授はフォーブスの取材に対し、特にメンタルヘルスの問題がある人は「超加工食品の摂取を可能な限り減らした方がよいかもしれない」と説明した。

うつ病は複雑な病気であり、社会的、生物学的、心理的要因が絡み合っていることが、これまでの研究で示されている。具体的な要因としては、遺伝や、人生における大きな出来事や経験、運動、飲酒、薬物使用、睡眠時間、他の健康問題などがある。

食生活も、うつ病発症リスクに大きく影響すると考えられている。だがチャン教授は、食生活のどの部分がうつ病に関連しているのかを具体的に示したデータはほとんどなく「メンタルヘルスの要因の多くは個人差が大きいことから、食生活の重要性を他の要因と比較して評価するのは難しい」と説明。それでも、今回の研究結果によって「メンタルヘルスに影響すると考えられる他の一般的な要因と同じくらい食生活が重要である」ことが改めて示されたと指摘している。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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