異世界的なキャラクターで、東京カルチャーを体現。 ピンクツインズが生み出す、戦略的「違和感」の正体

AMIAYA AYA AMI モデル/DJ/「jouetie」クリエイティブディレクター

「Forbes JAPAN」2023年11月号(9月25日発売)では、「カルチャープレナー」を特集。文化やクリエイティブ領域の活動によって、それまでになかった革新的なビジネスを展開し、豊かな世界を実現しようと試みる若き文化起業家を30人選出し、その活動とこれからの可能性について紹介する。

アニメや漫画の世界から飛び出てきたような違和感を纏まとう、双子モデルのAMIAYA。彼女たちはなぜ、世界のハイブランドやファッションシーンから求められ続けるのか。


ピンクのボブヘアが印象的な双子モデルのAMIAYAは、東京のポップカルチャーを発信し続けるファッションアイコンだ。インスタグラムのフォロワー数は2人合わせて約57万人。「FENDI(フェンディ)」「VALENTINO(ヴァレンティノ)」「DIESEL(ディーゼル)」などハイブランドのキャンペーンに多く起用され、海外ブランドのイベントゲストにも名を連ねる。

どこか無機質でアニメやマンガに出てくるような異世界感を纏い、時につくり手にインスピレーションさえ与える。「どこにもない世界観を、自分たちにしかできない表現でつくりあげる」(AYA)ことができるのが、世界で求められるゆえんだ。

15歳のとき原宿・竹下通りでスカウトされ、高校を中退して浜松から上京。バイト生活をしながらチャンスをつかんだ。20代になるとKAWAII文化を発信するアソビシステムの一員となり、モデルやDJの仕事をする傍ら、マークスタイラー社傘下のファッションブランド「jouetie(ジュエティ)」のクリエイティブディレクターに就任。

世界のハイブランドの現場や、ストリートで培った時流を感じ取るセンスを生かし、13年にわたってアイテムを次々と展開、人気ブランドを牽引し続けている。ラフォーレ原宿や新宿ルミネエスト、名古屋パルコ、大阪HEPFIVE、天王寺ミオに店を構え、ECでも販売する。

そんなふたりの転機は2017年3月。今やアイコンになっているお揃いのピンクのボブヘアにしたことで、「世界が180度変わった」(AMIAYA)。海外のファッションショーに招かれてフロントロー(最前列)に座り、会場周辺でスナップ写真をどれだけ撮られるかが人気のバロメーターだが、当時のAMIAYAは「双子だから多少目立つ程度で、全然認知されていなかった。もっとオリジナリティを出して存在感を発揮したい。何かを変えなければと思っていた」(AMI)。

その帰りの飛行機で観た映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(ティム・バートン監督)にピンときた。「まったく容姿が一緒のふたりの女の子が出てきたときに、『あ、これかも』とひらめき、自分たちの世界観や存在意義が見つかった(AYA)。

そこで、髪を染め、日本人形のように切り揃えたボブスタイルに統一。メイクでオリエンタルな雰囲気を醸し出した。すると行く先々で話題となり、ハイブランドの本国スタッフからも「日本のファッションアイコンといえば”ピンクツインズ”だよね」と認識されるまでになった。2019年には世界のファッション業界関係者2500人が選ぶ「The Fashion Awards 2019」に置いて、日本人で初めて「NEW WAVE \ Digital Influencer」部門(世界で活躍する若き才能100人)にも選ばれた。
ファッションコーディネイトに おいて、ふたりが意識しているの は、「違和感のミックス」。いつも の東京の風景にAMIAYAのふたり が立つだけで、東京であって、ど こでもないような異世界感が生ま れる。

ファッションコーディネイトにおいて、ふたりが意識しているのは、「違和感のミックス」。いつもの東京の風景にAMIAYAのふたりが立つだけで、東京であって、どこでもないような異世界感が生まれる。(写真=Hayato Takahashi)

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文=松下久美 写真=ヤン・ブース スタイリング=入江陽子(SIGNO) ヘアメイク=KATO(TRON)

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年11月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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