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2023.09.20 14:00

「円柱形の新Xbox」2024年発売へ マイクロソフトが社内機密を誤公開

現行の「Xbox Series X」(Jim1982 / Shutterstock.com)

現行の「Xbox Series X」(Jim1982 / Shutterstock.com)

他の企業を690億ドル(約10兆円)で買収しようとすると、それにともなう法的手続きが予期せぬ結果をもたらしてしまうこともあるようだ──。

米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収計画をめぐり米マイクロソフトと米連邦取引委員会(FTC)が争っている訴訟では、これまでにも社内メールなどの資料公開を通じて、信じられないほど多くの情報が明らかになってきた。だがマイクロソフトがこのたび誤って公開した機密資料からはなんと、同社のゲーム機「Xbox Series X」のまったく新しいモデルが2024年11月に発売される予定であることが明らかになった。

資料には、円柱形でディスクドライブなし、2TBのストレージを搭載する新モデル、コードネーム「Brooklin」の情報が事細かに掲載されている。ただし、いわゆる「Pro」モデルで通常行われる大幅な性能強化はない。ソニーは「PlayStation 5 Pro」を開発中だと報じられているが、マイクロソフトは以前、Xbox Series Xに性能強化版は必要ないと明言していた。

今回の資料によると、新モデルでは以下のアップグレードが施されている。

・内蔵ストレージ容量の増加(2TB)
・Wi-Fi通信の高速化(Wi-Fi 6E)
・消費電力の削減(スタンバイモードの消費電力は現モデルの20%)
・コントローラーの没入感強化。新コントローラーは、充電式バッテリーと新型サムスティックを採用し、ハプティック(触覚)フィードバックの改善とボタンの静音化を実現、ジャイロ用の加速度センサーを搭載しており、現行のSeries Xでも使用できる

新モデルの形状は円柱形で「冷蔵庫」とやゆされてきた現モデルの四角いデザインとは正反対だ。価格は同じ500ドル。一部の機能が強化されているものの、前世代の「Xbox One」と「Xbox One X」の間であったような性能の差はないことから「リフレッシュ」モデルと位置づけられている。

資料ではさらに、Series Sの新モデルを2024年9月に、Series Xの新モデル「Brooklin」を2024年11月に「追加ストレージオプション」を2025年に発売するというタイムラインも明記されている。

これらの情報は、どう解釈すればよいのだろう? マイクロソフトにとっては、自らが望むタイミングでの正式発表で新モデルを披露できなかったことが痛手となったことは明らかだが、一方でこれらの資料は正式発表で使用したであろうものとほぼ変わりがないようにも思える。

新モデルは「リフレッシュ」であり、性能面で大きな改善がないことから、Xbox One Xのときとは違い、現モデルの所有者で500ドルを支払って新モデルに買い換えたい人は少ないだろう。ただし、価格が同じであることからは、2024年の年末以降にXboxを購入する場合、それは新モデルになることが示唆されている。現モデルは、在庫処分が目的の場合を除き、販売を続ける必要性がもはやなくなるのではないだろうか。ただし、大幅な値下げが実施される可能性はある。

今回流出した資料からは、これ以外にも多数の新情報が明らかになっている。その中の1つであるXbox部門責任者フィル・スペンサーの電子メールからは、マイクロソフトの取締役会が2020年、任天堂やValve(バルブ)といった競合他社の買収を支持していたことが判明した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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