FTXの弁護団は米デラウェア州の破産裁判所に提出した書類で、バンクマンフリードの父ジョセフ・バンクマンと母バーバラ・フリードが「不正に送金された多額の金を受け取り、流用した」と主張。贈与された金などを債権者に返還するよう求めている。
FTXは、バンクマンフリードが連邦検察から訴追される直前の昨年11月に経営破綻。FTXによると、バンクマンとフリードは息子から現金1000万ドル(約15億円)とバハマにある1640万ドル(約24億円)相当の不動産の譲渡証書を受け取っており、いずれもFTXと同社の関連会社アラメダ・リサーチの資金が使われていた。
同社の弁護団は、バンクマンとフリードがFTXの詐欺に直接的または間接的に関与していたと主張している。
これに対し、バンクマンとフリードの各弁護士は共同声明を出し、FTXの主張を「完全な虚偽」と否定。「これは、ジョセフとバーバラを脅迫し、開始を数日後に控えた息子サム・バンクマンフリードの裁判の陪審手続きを妨害しようとする危険な試みだ」と主張した。
バンクマンフリードは、FTXとアラメダの顧客が保有する数十億ドルの資金を個人的利益のために不正流用したとして起訴されており、裁判は10月3日に始まる予定。
バンクマンとフリードは昨年12月、息子の保釈金を支払った。この際、スタンフォード大ロースクールの元学長であるラリー・クレイマーも「不動の友人」である両親を支援するために資金を提供していた。
バンクマンフリードは昨年11月の米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、両親がFTXからバハマの不動産を受け取ったことを認め、「詳細」は知らないが、「長期的に両親の財産にするつもりはなかった」と語った。
バンクマンとフリードの広報担当者はその後、同紙に対し、夫妻は「その家から利益を得たり家の所有権を持とうとしたことはなく、そうしていると考えたこともなかった」と説明した。FTXの訴状によると、バンクマンはFTXの従業員として年間20万ドル(約3000万円)の報酬を受け取っていたが、フリードはFTXで正式な役職には就いていなかった。
(forbes.com 原文)