Proのカスタマイズを極める「アクションボタン」
ほかにも、iPhone 15ファミリーの4機種について実用性の高さが際立って感じられる2つのポイントを紹介しよう。iPhone 15 Proシリーズには、着信/サイレントスイッチに変わる新しい「アクションボタン」が左側面に配されている。従来の消音モードのほか、集中モード/カメラ/フラッシュライト/ボイスメモ/拡大鏡/ショートカット/アクセシビリティに、後日の追加が予定されている翻訳の9つのプリセットを選んで、長押し操作ですばやく起動できる。写真はサブメニューからセルフィーやビデオなどが割り当てられる。
左側面上部に新しい物理ボタンを搭載。アクションボタンとして、さまざまな機能を割り当てて使える
iOSのショートカットを上手に併用すると、宅内のIoT家電機器をアクションボタンから操作したり、サードパーティのカレンダーアプリを開いてすばやく予定を入力するといった、かなり便利なパーソナライゼーションができる。
もう1つ、iPhoneにようやくUSB-Cコネクタが搭載されたことだ。アップルとしては先にMac、iPadのデジタルコネクタを徐々にUSB-Cに置き換えてきたが、いよいよ市場にも質の高いUSB-Cコネクタを採用するモバイルアクセサリーが出揃ったことで、満を持して対応した格好だ。MacBookのユーザーは同じ充電ケーブルがそのまま使えるのでありがたい。
iPhone 15ファミリーの4機種には、USBコネクタに有線で接続したAirPods、Apple Watchやその他のガジェットにバックアップとして電源を供給できる機能もある。きっと役立つ場面はあるはずだ。
iPhone 15にUSBケーブルでAirPodsやApple Watchを接続すると充電できる
ほかにもiPhoneから外部記録ストレージへのビデオや高解像度な写真データの転送を速くできたり、USB-C対応になったことのメリットは数多くある。iPhoneを購入するとダメージに強い編組被服を採用するUSB-Cケーブルが同梱されている。このケーブルは両端ともUSB-Cコネクタとなっている。9月の頭に筆者はヨーロッパまで飛行機で旅をしたが、往路の飛行機にUSB-A端子の電源端子しか用意がなく、iPhoneのバッテリー切れに怯えながら12時間以上のフライトを過ごした。ホテルやワークスペースの電源サービスもいまだにUSB-Aが基準であることも多い。ゆえに老婆心ながら、これからビジネスパーソンは常時バッグの中にプラグ側がUSB-AコネクタのUSB-Cケーブルをしのばせておくと良いだろう。
2022年のiPhoneに比べると、iPhone 15 Proシリーズは1万円、iPhone 15シリーズは5000円、円安の影響を受けて値上がりした。だが本稿では紹介しきれないほどの新しい機能を載せて、ビジネスツールとしても大きな飛躍を遂げている。2023年のiPhoneは価格以上の価値があると筆者は実感している。
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