ただし忘れてならないのは、このツールは役に立つがメンタルヘルスの専門家を置き換えるものではないということだ。一連の結果を自分で解釈する場合には注意が必要であり、いかなる心配事も資格のある医療従事者と相談しなくてはならない。
2. 自己認識と個人的成長を高めるのに役立つ
自分の心の状態と関連するきっかけを定期的に記録することで、ユーザーは自らの感情のパターンと反応についての理解を深める。繰り返されるストレス要因や喜びの瞬間を認識することで、ユーザーは自分の幸福にマイナスの影響を与える状況を回避したり、プラス要因をもたらす体験に立ち向かうことができる。さらに、この高められた自己認識が、個人的成長の促進剤の役目を果たすこともある。自分の感情に直面し、感情を理解することで、ユーザーは精神的な回復力を高め、感情的知性や全体的な幸福感を得るために実行すべきステップを踏み出すことができる。自己認識を育むツールを使うことは、グロースマインドセット(自分の成長は経験や努力によって向上できるという考え方)を後押しし、個人が積極的に物事に取り組み、心の健康を進化させ、ストレスに対応できるようにすると2022年にFrontiers in Psychology誌に掲載された研究結果は示している。
結論
テクノロジーがいっそう深く私たちの生活に絡み合うようになる中、アップルの新たなメンタルヘルスへの取り組みは、人とテクノロジーのインタラクションの新しい時代の先駆けと言えるだろう。ただし、一部の人たちにとっては、メンタルヘルス記録に関する通知が押しつけがましく感じるかもしれない。この未踏領域に対する世間の反応はまだわからない。それでも、生活におけるテクノロジーの存在を否定しようもない今、こうしたイノベーションが、より調和のとれた人と機械の関係への道を開くのかもしれない。
(forbes.com 原文)