インテージの推計* によると、2022年の男性化粧品の市場規模は、2017年比でおよそ1.5倍の「376億円」にまで増加。2023年に入っても、1-6月で前年同期比1.15倍の203億円と好調を維持している。
* 全国15歳~79歳の男女52500人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データ「SCI (R)(全国消費者パネル調査)」をもとに、男性の化粧品購入金額より推計
市場を牽引しているのは何と言っても、約9割を占める基礎化粧品だ。
2021年、2022年と伸び幅を広げており、コロナ長期化でのストレスやマスク着用による肌荒れ、オンライン会議で自分の顔をみる機会が増えたことなどにより、「美容意識が高まった」ことが市場拡大の要因として挙げられている。
通勤や飲み会にかけていた時間やお金を美容にかけられるようになったことも追い風となったようだ。
若年層で顕著な購入金額の伸び、中高年層では購入率も増加
詳しく、基礎化粧品の購入状況を見てみよう。購入者一人当たりの基礎化粧品の「購入金額」と基礎化粧品を購入した人の割合「購入率」を、2017年と2023年の1-6月で比較すると、年代計の購入率が18.5%から21.2%と1.15倍の伸びに留まっているのに対し、購入金額は1197円から1749円と1.5倍近く増えている。
特に10・20代の購入金額が2倍近くにまで増加しており、購入金額の伸びが基礎化粧品市場拡大の主な要因となっている中で、とりわけ若年層が美容意識が高いためか、基礎化粧品への支出を増やしていることがわかる。
また、40・50代では購入金額が1.3倍以上増えているうえに、購入率も1.2倍以上と大きく伸びている。男性の美容意識は、若年層に限らず、中高年層でも高まってきているようだ。
基礎化粧品にはクレンジングや洗顔のほか、化粧水・美容液・乳液といったスキンケア用品があるが、一体どういったアイテムが伸びているのだろうか。