北米

2023.09.19 11:15

米共和党強硬派による予算案反対で政府閉鎖の可能性

安井克至
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ウェルズ・ファーゴ投資研究所のストラテジスト、ゲーリー・シュロスバーグとジェニファー・ティマーマンは、政府支出の損失による「波及効果」が「過去の閉鎖における経済的ダメージ」をもたらしたと指摘し、1990年代半ば以降の3回の長期的な閉鎖は、いずれも「政府サービスの喪失による不便さと不確実性」から「消費者と企業の感情」を悪化させたと付け加えた。

連邦議会は毎年9月末までに、連邦予算を12の予算に分けて可決しなければならない。ケビン・マッカーシー下院議長(共和党、カリフォルニア州)は、今週中に予算案を採決に持ち込むと見られている。しかし、下院を9議席差で支配する共和党は、可決のために5票以上の票を失うことは許されない。

ポリティコによれば、アンナ・パウリナ・ルナ議員、フランク・ルーカ議員(オクラホマ州)、ダン・クレンショー議員(テキサス州)の欠席が、さらに事態を複雑にしている。上院は独自の予算案でほぼ団結しており、両党党首の支持を得て、すでに予算通過のための手続きを始めている。上院予算は、6月の債務上限停止交渉でマッカーシーとバイデンが合意した1兆5900億ドル(約234兆円)の予算に沿ったものだが、下院の強硬派は、1月の下院議長選に勝利するためにマッカーシーが合意した2022会計年度レベルに支出を戻すことを要求している。

数十万人の政府職員が閉鎖で一時帰休となり、納税者が不利益を被る可能性がある。上院小委員会の報告書によれば、過去3回の閉鎖では、一時帰休の職員への未払い給料として少なくとも総額37億ドル(約5400億円)、その他の経費として少なくとも3億3800万ドル(約499億円)が支払われた。

社会保障費の支払いは継続され、法執行機関を含む一部の必要不可欠な労働者は閉鎖の影響を受けないが、国立公園システムや空港に大打撃を与える可能性がある。2019年の閉鎖では、給与が支払われていない連邦航空管制官が病欠を申し出たため、全米の航空便が遅延し、国立公園ではビジターセンターやトイレなど一部の施設が閉鎖された。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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