気温が下がり始めるため、星空鑑賞には少々肌寒いかもしれないが、暗闇の時間が12月後半まで長くなっていくだけでなく、北極星やオーロラといった北半球の夜空で最も華々しい光景の数々が戻ってくる。
今週、月と惑星と星々を見るために知っておくべきことすべてを以下に述べる。
9月19日火曜日:三日月と地球照
この日の日没後に西南西を見ると、輝面比17%の三日月が見える。近くにこれまでよく見られた惑星の姿はないが、月の照らされていない部分がかすかに光っているところを見てほしい。これは「地球照」と呼ばれる、太陽の光が地球の海や氷に反射して月面を照らしている現象だ。9月21日木曜日:三日月とアンタレス
この日の夕方、輝面比31%の三日月が、太陽の12倍もあるさそり座の巨大な恒星であるアンタレスの近くを通過する「恒星食(アンタレス食)」が起きる。夜空で15番目に明るい恒星アンタレスは、もし太陽の位置にあれば、木星に届きそうな大きさだ。三日月に隠された後、再び出現するアンタレス(ステラナビゲータLite)
9月23日金曜日:上弦の月と水星
この日、上弦の月となり、地球に近い側の半分が照らされる。上弦の月は、星空鑑賞者にとっては、満ちてゆく月の光が夜空を白くして、星々や新宇宙のかすかな光を見るのがいっそう困難になっていくことを示す合図でもある。上弦の月(NASA)
この日前後は、2023年に水星を見る最も良い時期でもある。ただし双眼鏡と目覚まし時計が必要だ。9月22日午後10時16分(日本時間)、水星は太陽から最も西に離れる「西方最大離角」を迎える。
9月23日土曜日:秋分の日
日本時間9月23日午後3時50分、太陽が地球の赤道の真上を通過し、昼と夜の長さが等しくなる秋分を迎える。3月の春分とともに、秋分は世界中の人々が同時に経験する地球規模の現象だ。秋分は地球が太陽を「4分の1周」したことを示す日であり、夏の終わりと「天文学的な秋」の始まりを告げる合図だ。今週の天体:黄道光
秋分の日は、黄道光(こうどうこう)を写真に撮る最良のタイミングでもある。黄道光とは、太陽近傍を中心に黄道面(地球軌道面)に沿って観測される淡い光の帯で、日の出直前の東の夜空に見える雲のない天気だけでなく、あらゆる光害を排除した漆黒の夜空が必要だ。太陽系の軌道面に浮遊するちりに反射した光は実に見事な光景だ。
(forbes.com 原文)