なぜ更新版ワクチンを接種すべきなのか?
新型コロナワクチンは、重症化率、入院率、致死率を大幅に減少させることに成功している。しかし、新型コロナ流行の開始から3年半が経過し、体が一度得た免疫は長持ちしないことがわかっている。体が新しい変異株に対応する抗体を産生するためには、免疫の定期的な更新が必要なのだ。多くの人は、過去の感染やワクチン接種によって得られた免疫が重症化や死亡の予防に役立っているが、一方で65歳以上の高齢者や免疫不全の人など、高リスクのグループは今も存在する。更新版ワクチンにより、自らが感染したり、他人にウイルスをうつしたりする可能性を減らせる。
さらに、新しいデータでは、ワクチン接種が後遺症の発症リスクの低下と関連していることが示唆されている。後遺症は、年齢や免疫不全の有無にかかわらず、すべての人が発症する可能性がある。
コロナ後遺症とは?
新型コロナ後遺症は「ロングコビッド」とも呼ばれ、感染した人なら誰でも発症する可能性がある。重症化した人、ワクチン未接種の人、複数回感染した人は、後遺症のリスクが高くなる。後遺症の一般的な定義は感染から4週間以上症状が持続することとされるが、症状は数カ月あるいは数年続くこともある。後遺症の症状はさまざまだが、一般的なものとして、重度の疲労、ブレインフォグ、発熱、息切れ、せきがある。日常生活への影響は大きく、米国では最大400万人が新型コロナ後遺症により失業中とみられている。残念ながら、後遺症に特化した検査法や治療法は今のところない。唯一の予防法は感染しないことであり、そのためには更新版ワクチンの接種が重要となる。
CDCは、生後6カ月以上のすべての人に更新版ワクチンの接種を推奨している。副反応は過去のワクチンと同様に軽く、注射部位の痛み、体の痛み、発熱などが生じる可能性がある。ワクチンは安全かつ有効であることが示されており、毎年のインフルエンザ予防接種と同時に受けることができる。
(forbes.com 原文)