経済・社会

2023.09.16 10:30

金正恩と会ったプーチンが中国に突きつけた「警告」

2023年9月13日、ロシア極東のアムール州で握手するウラジーミル・プーチン大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(Kremlin Press Office / Handout/Anadolu Agency via Getty Images)

ロシアが核兵器を含めて北朝鮮の武器を改良する可能性は、韓国、日本そして東アジアの西側同盟全体にとって新たな局面を開くものにもなる。これは動的な脅威と呼ぶべきものだ。なぜなら、北朝鮮は実際に武器を使いかねない国だからだ。
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つまり、プーチンは地政戦略学的な動きを見せていて、アジアを含めて世界を冷戦のピーク時のような体制に巻き戻そうとしている。現在、アジアの同盟国を防衛する西側の能力は、中国とロシアという2つの脅威によって引き延ばされている。

一方、中国側も脅威を感じているとしたらどうだろうか。中国はこれまで、ウクライナでのロシアの戦争努力にほとんど手を貸していない。それにはもっともな理由がある。

中国はロシアが戦争で一方的な勝利を収め、自信を深めることを望んでいない。むしろロシアが弱体化したほうが、中央アジアに対する影響力を失う結果になるだろうし、国がばらばらになればシベリアなどに対する影響力も弱まるだろうからだ。切羽詰まった状態に追い込まれたロシアが、日本海に面する領土の一部の取引を中国に持ちかけてくる可能性もある。現時点で、ロシアはこうした地域の領土を守れそうにない。
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こうした動きやそれに対抗する動きは、かつて帝国が緻密な計画を立てて進めていた類いのものだ。帝国をすべて失った西側は、この種のゲームのやり方をほとんど忘れてしまい、プーチンがそれをやるときには複雑な「5次元チェス」のように感じる。

それでも、プーチンとロシアの帝国が救われることはないだろう。プーチンが金正恩のような人物に頼らなければならないとき、それは避けがたいことを遅らせているだけにすぎない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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