先週、トヨタはSUVスタイルの新型「センチュリー」を発表し、業界に衝撃を与えた。東京の巨大な有明アリーナの中で行われた発表会で、日本最大の自動車メーカーは、ロールスロイス・カリナンを彷彿させるルックスのV6プラグイン・ハイブリッド搭載車を披露した。
![トヨタ・センチュリー(通常のモデル)](https://images.forbesjapan.com/media/article/66043/images/editor/44fe584ebbb9910a6b31255020d43707d4ee5d6b.jpg?w=800)
この発表会での最大のサプライズは、トヨタの幹部が、ブランドとして初めて、高度にカスタマイズ可能な新型高級SUVの「輸出を視野に入れており、海外市場には大きな可能性がある」と語ったことだ。トヨタの関係者は狙っている海外市場がどこだとは口にしないけど、欧米や中近東は想定できそうだ。
で、高度なカスタマイズとは何か───、というと、カラーが自由に指定可能な外観の塗装、インテリアの素材や色、トリムやステッチ、またオーディオ・スピーカーなどがこれまでのどの日本車より選択肢が広いと言うことだ。これは、海外市場を狙うなら必須だ。ロールスロイス・カリナンなど、ボディやレザーの色は無制限に選ぶことができるからね。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/66043/images/editor/337cf422b83694a401606e22ecd0f7dd9725e264.jpg?w=1200)
また、ネーミングが面白いというか、トヨタがかなりこだわっているところだ。同社の役員は、「センチュリーSUVと呼んで欲しくない」という。この車両は、「SUVスタイルのセンチュリーです」。ということは、既存のモデルは「センチュリー・セダン」になり、新型車を「センチュリー」と呼んで欲しいらしい。
ただし、欧米のメディアには「センチュリーSUV」と掲載されているので、海外の媒体にはまだその声が届いていないようだ。
1967年に登場した初代センチュリーは、2.6リッターV型8気筒エンジンを搭載していた。日本で最もエリートで保守的な顧客層をターゲットにした初代モデルは、30年間ほとんど手つかずのままだった。実際、そのエクステリア・デザインは、80年代のロシアの時代遅れなジル・リムジンに例えられるほどだった。