つまり、僕が心配するのは、日本国内ではトヨタ・センチュリーのブランドイメージは高いものの、初めて進出する海外の富裕層が「トヨタ」というブランドに触手を伸ばすのか、という点だ。
大衆的なイメージから脱却させるには、かなりのマーケティング戦略が必要だろう。むしろ、定評あるレクサスとして投入する方が、承認されやすいのではないか。それは僕の杞憂だろうか。
とはいえ、今回トヨタは初めて、需要があればどこへでも輸出することを真剣に検討していると語った。トヨタの信頼性と品質の高さ、レクサスの静粛性と洗練性、さらに超高級感と前例のないレベルのカスタマイズが上手く融合されたこの日本製SUVを、ヨーロッパや中東の国々が欲しがるかもしれない。この奇妙な世界情勢や円安の中で、2500万円はバーゲンとしか言いようがないだろう。
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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