北米

2023.09.15

マスク、ザッカーバーグ、ゲイツらが議会で「AI規制」を協議

ワシントンのキャピトル・ヒルで開催された第1回AIインサイト・フォーラムに到着したメタ社CEOのマーク・ザッカーバーグ(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

米議会は9月13日、大手テック企業の幹部らを招き、人工知能(AI)に関するフォーラムを開催した。非公開で行われた会議には、メタのマーク・ザッカーバーグCEOやテスラのイーロン・マスクCEO、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツらが集まり、AIを規制する法の枠組みや、急速に進化するテクノロジーのリスクについて意見を述べた。

ザッカーバーグは会議の冒頭で、AIの安全性とアクセスに関する基準の必要性を強調したが、将来のある時点で、これらのシステムが超知能のレベルに近づいた場合には、メタの規制に対するアプローチを再考することになると述べた。

ザッカーバーグはまた、米国がAI分野でリードすることを求め、「世界の規範となるスタンダード」を定義することが重要だと述べた。

イーロン・マスクは、総合格闘技で対戦すると報じられているザッカーバーグから距離をおいて座っていたが、会場を出る際に「AIは文明的リスクをもたらす」と記者団に語り「AIが我々を皆殺しにする可能性は低いがそのリスクはゼロではない」と付け加えた。

マスクはまた、米国政府がAI部門を設立するべきだと呼びかけた。このアイデアは、OpenAIのサム・アルトマンCEOが提案したもので、彼は記者団に対し「AI規制についてはコンセンサスが得られているが、その内容については意見が分かれている」と語った。

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、会議が非公開で行われたことを批判し、出席した議員らが座っているだけで、何も質問しなかったと記者団に語った。

共和党のジョシュ・ホーリー議員は、この会議に出席しなかったが、ハイテク企業の経営者が「AIの開発から利益を得る立場にある利害関係者」だと批判したとNBCは報じた。

欧州とは異なり、米国では議員やテック企業の幹部などの専門家が数カ月にわたって議論を重ねても、AIの規制に関する具体的な進展はまだ得られていない。しかし、ホーリー議員と民主党のリチャード・ブルメンタール上院議員は先週、超党派のAI規制に関する枠組みを発表し、AI企業に外部の監視団体が管理するライセンスの取得を義務づけることを提案した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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