プロデューサーのマーティ・アデルスタインとベッキー・クレメンツはかねて、シーズン2の展望について自信を示しており、正式発表に先立ち公開された新たなインタビューでは、なんと6~12年にわたるシリーズ化の計画があることを明らかにしていた。
2人は、ネットフリックスと原作者である尾田栄一郎とのやり取りから、シーズン2はほぼ確定しており、今は細部を詰めている段階であることをほのめかしていた。だが米エンタメニュースサイトのデッドラインが行った新しいインタビューでは、シーズン2への「希望」はあるかと聞かれると、アデルスタインはこう答えた。
「12シーズンへの希望がある。素材はふんだんにある」
まあ、これはそのまま受けとめないとして、現実的な見通しはどうなのか?
「ネットフリックスと(原作漫画の出版元である)集英社、尾田さんと足並みをそろえてすべて進めており、彼らは話し合いに加わっている。シーズン2の機会が得られた場合にどんな内容にするかについては、より詳細な話し合いをしてきた。シーズン3~6をどうしたいかについても、軽く話している」(クレメンツ)
私は『ONE PIECE』について、シリーズ継続の許可を得るために必死でこびへつらう必要がある典型的なネットフリックス作品ではないのではないかという印象を持ち始めている。ネットフリックスはもともと、満足できる視聴数と評価が得られれば、同作を大型の長期シリーズとすることを考えていたのではないだろうか。実際、視聴数と評価はいずれも上々のようだ。
ネットフリックスは、未完のまま打ち切られたドラマが積み重なる「番組の墓場」とやゆされていることを自覚しているのだろう。また、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』や『YOU ─君がすべて─』といった終了間近の作品や、当初はヒットを飛ばしたものの製作側の内紛によって人気に陰りがでている『ウィッチャー』などの作品を考えると、ネットフリックスは他にヒットシリーズとなる作品を模索しているはずだ。
『ONE PIECE』は、まだ始まったばかりなのかもしれない。6シーズンというのは、ネットフリックスの平均的なドラマよりもはるかに長い。そして12シーズンとなると……そもそもネットフリックスはサービス開始から12年も経っていただろうか?
製作陣はシーズン2になるべく早く取りかかりたいと考えており、脚本家ストライキの前に脚本をすでに完成させていた。ただ、ロケ地である南アフリカの天候についての懸念も示している。同国では夏になると風が強まり雨も増えて、撮影に支障が出るからだ。
とはいえ、製作陣はどのメディアとのインタビューでも、同作がネットフリックスにとって大きな将来性を秘めたものだということに絶大な自信を示している。ネットフリックスが『ONE PIECE』にコミットするのであれば、それは同社にとって良い結果をもたらすに違いない。
(forbes.com 原文)