高級ブランドのイヴ・サンローランも被害に遭っている。8月8日に、グレンデールにあるショッピングモール「アメリカーナ・アット・ブランド」の店舗で窃盗事件が起きた。グレンデール警察署によれば「30人以上の集団が店内になだれ込み」、40万ドル(約5890万円)相当の商品を盗んだという。
その後、イヴァン・アイザック・ラミレスという人物が逮捕され、小売店を狙った組織的な犯罪の容疑者として、窃盗罪、不法侵入罪、重窃盗罪、共謀罪に問われた。また、共謀者とみられるブリアンナ・ヒメネスに逮捕状が出た。
カリフォルニア北部のサンフランシスコは、しばらく前から万引きなどの深刻化が問題になっていたが、ロサンゼルスの人気商業地も、現在の流れを止めない限り、サンフランシスコと同じ道をたどるのではないかという懸念が高まっている。
ビバリーヒルズでは空き店舗が増加
超高級店が並ぶビバリーヒルズのロデオドライブとその周辺では、犯罪の多発により、空き店舗が増えている。地元の報道によれば、高級百貨店のバーニーズ・ニューヨーク、ファッションブランドのエスカーダやシャネル、ドラッグストアのRite Aid、書店のバーンズ&ノーブル、スポーツ用品店のナイキタウン、メキシコ料理チェーンのチポトレ、スターバックスは現在、閉店しており空っぽだ。ロサンゼルスのカレン・バス市長は声明を発表し「ロサンゼルス市ならびにその周辺地域で起こっている事態は、到底受け入れられない。これらは、被害者なき犯罪ではない。ロサンゼルス市民が、仕事や用事などのさなかに、力づくや脅しを使って攻撃されたケースであれば、なおのことだ」と述べた。
ただし、こうした組織的な窃盗に悩まされているのは、ロサンゼルスだけではない。
全米小売業協会が発表した最新リポートによれば、米国全体では2020年から2021年にかけて、小売店を狙った組織的犯罪が26%も増加している。同協会は「米国各地で、小売店を狙った組織的・計画的な大規模窃盗事件が急増している」と強く訴えている。
(forbes.com 原文)