今回の重要なアップグレードの1つは、次世代モバイルチップセット「Tensor G3」だ。これまでグーグルが開発したTensor G1とTensor G2は、多くのルーチンをハードコーディングすることで、人工知能(AI)と機械学習関連の機能を向上させてきた。
Pixel 8シリーズには、AIを使用したビデオ編集機能が追加され、動画内のサウンドをノイズや人の声、音楽などに分類した上で特定の音だけを消去する「音声版の消しゴムマジック」が搭載されるとみられている。さらに、手ブレ補正などの機能が、より進化したものになる見通しだ。
しかし、Pixel 8とPixel 8 Proは、Pixel 7シリーズでも見られた端末の温度の上昇にどのように対処するかが注目されている。ソフト面での機能強化は、チップセットへの負荷増加につながり、結果としてハードウェアの温度が上昇する問題を引き起こす。
グーグルは、この問題への対処の一環として、サムスン・ファウンドリーの「FOWLP(fan out wafer level package)」と呼ばれるパッケージング技術を採用するとみられている。複数の情報筋によると、同社はこの技術の採用でチップに負荷がかかったときの発熱を抑え、効率的な動作を可能にするという。
これにより、Pixel 8とPixel 8 Proはより長い時間、温度を下げつつ動作するという、まさにグーグルの次世代モデルに期待されるような改善を実現することになりそうだ。
グーグルは、10月4日の「Made By Google」と題したイベントでPixel 8シリーズを発表する予定だ。
(forbes.com 原文)