消費者団体の消費者協会(Consumentenbond)とプライバシー保護財団(Stichting Bescherming Privacybelangen)は、グーグルが十分な情報提供や同意なしにユーザーのオンライン上での行動データや位置情報を収集していると主張している。
グーグルは、収集したデータをオンライン広告プラットフォームを通じて何百もの外部企業と共有しているとされる。このデータには、健康状態や人種、政治的思想などの非常に繊細な内容が含まれているという。
「欧州のユーザーのインターネット上での活動や位置情報は、1日平均380回近くオンラインの広告オークションにさらされている」と2団体は主張。さらに、グーグルが欧州以外の地域にデータを転送することで、オランダの消費者が外国政府による監視の危険にさらされていると指摘している。
プライバシー保護財団のアダ・ファン・デル・フェール会長は「グーグルは常にすべての人を監視しており、ユーザーが同社の製品やサービスを使用していないときであっても、ウェブサイトやアプリを通じてデータを収集し続けている」と述べている。
両団体は、集団訴訟形式の訴訟に8万2000人以上の消費者を集めており、1人当たり750ユーロ(約12万円)の損害賠償を求めている。消費者協会のサンドラ・モレナール理事は「このキャンペーンに参加する人が多ければ多いほど、グーグルに対する訴えを大規模なものにできる」と述べている。
訴訟に参加するユーザーは、オランダ在住で、2012年3月1日以降にグーグルの製品やサービスを利用した人に限定される。
両団体はまた、グーグルが常時の監視をやめ、オンライン広告オークションを通じて個人データを共有するのを止めるべきだと主張している。
この訴訟は、消費者協会が以前にフェイスブックを相手取り起こした訴訟と類似している。裁判所は3月、フェイスブックが2010年4月1日から2020年1月1日にかけてオランダの消費者の同意を得ずに個人データを広告目的で使用し、プライバシー法に違反したとの判決を下していた。
筆者はこの件でグーグルにコメントを求めている。
(forbes.com 原文)