自動運転の新形態 道路上の見えないラインに沿ってバスが走行

プレスリリースより

特殊なペイントで道路に引いた線に沿って走行する自動運転バスが、日光国立公園内で実験運行を行う。栃木県では2025年度に県内で自動運転路線バスの運用開始を計画しているが、それはその一環。

鉛筆で引いた線に沿って走るロボット学習用のオモチャをよく見るが、原理はそれと同じ。ただここで使われるのは、肉眼ではわからないがセンサーにはハッキリ見えるという、日本ペイント・インダストリアルコーティングスが開発した自動運転用特殊塗料「ターゲットラインペイント」。そのため、道路の路面標示を邪魔しない。樹木が生い茂るなどして衛星測位システムの電波が届きにくい道路でも、安全に自動運転が行えるのがメリットだ。

国土交通省は、道路に電線を埋めて電波で車を誘導する電磁誘導線方式を研究しているが、こちらは「走行経路に塗装するだけで自動運転用のインフラ整備が可能」になるため、導入やメンテナンスのコストは大幅に低くできるということだ。

実験運行は、9月21日から10月4日まで(9月23日と28日は運休)、日光国立公園の赤沼車庫と千手ヶ浜の間の9.3キロメートル区間で行われる。使用する車両は15人乗りの電動バス「BYD J6」。自動運手レベルは2なので、基本的に人が運転し、部分的に自動運転となる。時速は40キロメートル。運行時間は9時25分から16時20分。一般の乗車が可能で、運賃は大人が500円、子どもが250円となっている。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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