Z世代を対象としたシンクタンク Z総研は、全国の12歳から25歳の若者187人を対象に広告に関するアンケート調査を実施した。それによると、約3割の人たちが「オシャレ感やトレンド感がある」広告を好意的に感じていることがわかった。それに続いて、面白いアイデア、ストーリー仕立て、ユーモアがある、といった内容に好感を持つ人が1割台。わずかながら、社会性を重視する意見も見られる。
苦手な広告表現は、不安を煽る、コンプレックスを助長する、ジェンダー差別的、容姿に対しての押し付けなどが上位を占めるが、割合はほぼ変わらない。これらはどれも、若者でなくとも不快に感じるが、Z世代はとくにルッキズムや性差別に敏感であることがうかがえる。
好きな広告を見たときは、公式SNSやサイトを見に行く、公式SNSをフォローする、企業について調べるなど積極的な行動に出るが、反対に、不快な広告に触れたときは、5割近くが何もせずスルーすると答えている。商品を買わないという控えめな抗議行動に出る人が2割以上いたが、公式に問い合わせるなどの積極的な行動に出るという人は少数だった。
オシャレなものに敏感で、気に入ればSNSをフォローするが、同時に人権問題にも敏感で、そこに鈍感な企業は無視する、というのが、この調査からわかる範囲でのZ世代の広告観というわけだ。不安を煽る、女らしさや若者らしさを押し付ける、ルッキズムといった問題に無関心な広告主は、彼らからの抗議の声が聞こえないとしても、完全にスルーされていることを自覚しないといけないだろう。若い人たちは、きちんと見ている。
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