納税と称しているが、実際には地方自治体への寄付であり、原則自己負担額の2000円を除いた全額が控除の対象となる。納税をすると自治体から返礼品がもらえるため、利用者はお得に欲しい物が“買える”ということで得した気分になるため、地方自治体としては、より税収を増やそうと返礼品競争が勃発。そのため政府は2019年に還元率を抑えたり電子マネーなど一部の返礼品はNGなどといった規制を行った。
これによって、一時期は落ち着いたものの、抜け穴を使った返礼品が増加してきたため、今年の10月1日から、さらに適正な運用が行われることとなった。まず、費用については付随費用も含めて寄附金額の5割以下にしなければならないため、同じ返礼品でも金額がアップするものや、熟成肉と精米については地元で加工しているだけでなく原材料も同一都道府県内産に限られることになり、10月以降は消えてしまう返礼品も続出することになりそうだ。
このため、返礼品が高くなったり、なくなる前に申し込もうという駆け込み需要が発生することは間違いない。実際、マーケティング会社のセレスがポイントサイト「モッピー」の会員を対象に行なった「ふるさと納税のユーザー動向調査」によると、いつふるさと納税を行なったか(行う予定か)を聞いたところ、2022年は圧倒的に12月が多かったのが、2023年は7月から9月にかけて増加し、11、12月の割合が減っていることがわかる。やはり9月までに申し込もうという駆け込み需要は発生しているようだ。
ちなみに、2023年のふるさと納税の返礼品として、寄付地域のトップはダントツ北海道で、2位に宮崎県、3位に鹿児島県と続いている。
また、返礼品のカテゴリとしては、1位が圧倒的に食材で、2位に雑貨日用品となっている。つまり、美味しい食材が豊富な北海道がいちばん人気ということのようだ。
9月も残りわずか。毎年ふるさと納税をしている人は、今年は年末ではなく、いまの時期の方が、いい返礼品が見つかるかもしれない。
出典:モッピー「ふるさと納税のユーザー動向調査」より