2A6に搭載されている強力な1500馬力のディーゼルエンジンと頑丈なトランスミッションに言及したウラジスラフは、スピードも「非常に重要だ」と指摘。そして「時速50〜60キロで走行できる」と語った。
加えて、ウラジスラフによると、主砲の複数軸による安定装置のおかげで、2A6の乗員は荒地を移動しているときでも標的を難なく狙えるという。
2A6の最大の特徴である精度の高い照準装置、スピード、優れた安定性を組み合わせれば、機敏なナイトハンターとなる。装填手のユリイがいうところの「夜の捕食者」だ。ユリイは「私たちは主に夜間と明け方に活動する」と語った。
夜間の戦闘は2A6の強みを際立たせる。またロシア軍が暗闇での戦闘に苦慮していることもあって、少数の2A6部隊は敵の攻撃にさらされていない。
ウクライナ軍は供与された21両の2A6のうち、すでに3両を失っている。ほとんどは地雷による損失だが、爆発物を搭載したドローンも大きな脅威だ。第47旅団の戦車の乗員がこの3カ月、激戦をくぐり抜けてきたことを考えれば、その数はかなりすばらしいものだが、これ以上2A6が供与されることはないことにも留意すべきだろう。
ウクライナ軍が今後数カ月で手に入れる西側諸国製の戦車は、31両の米国の主力戦車M-1エイブラムスと150両ほどの40年前のレオパルト1A5だ。また、2A6は現代の戦車に比べて装甲が薄い。
つまり、ウクライナ軍は徐々に減りつつある高速で移動しながら正確に遠距離砲撃ができる2A6を今のうちに有効活用すべきだろう。
(forbes.com 原文)