iPhone 15シリーズが(実質的には2年ぶりに)刷新したことで費用対効果が極めて高いモデルになった一方、iPhone 15 Pro/Pro Maxはさまざまな「最新技術の詰め合わせ」で価格クラスを維持しながら1つ上の階段へと登った高級モデルとしての磨き込みが進んだモデルとして進化を遂げている。
14 Proのエッセンスを「より洗練された」かたちで体験できるiPhone 15
ProモデルではないiPhoneシリーズは、常に最も費用対効果が高いモデルとしてiPhone 11以降の定番モデルになっていたが、昨年のiPhone 14はやや事情が異なっていた。iPhone 13では放熱技術の制約で4コアに制限されていたGPUが5コアまで解放されたことを除けば、カメラを含めてハードウェアの基礎的な体力はiPhone 13とほとんど変わらなかったからだ。iPhone 15シリーズ(Apple)
A16 Bionicを搭載し、iPhone 14 Pro相当の機能やディスプレイ、カメラ(77mm望遠カメラは非搭載)を持ち、Dynamic Islandにも対応している。欧州委員会の要求で(機能面はそのまま)端子がLightningからUSB-Cへと変更されているが、iPhone 14 Proのエッセンスをさまざまな面で備えながら、より購入しやすい価格帯に落とし込んだ。
サイズはほぼ同じながら、フレームの角に小さな丸みをつけることで持ちやすくなり、着色ガラスで背面を覆うなど、よりモノとしての満足感を高める演出もある。
しかしiPhone 15は、単なるお買い得版に衣替えしたiPhone 14 Proというわけではない。
被写体を認識し、人物およびペットを認識すると、モード切り替えなしでポートレート撮影ができたり、深度情報を保存しておいて後からボケをコントロールするシネマティックモードに類似する機能、より的確な現像処理になったという新しいスマートHDRなど1年分の信号処理技術の進化を反映している。