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2023.09.15 08:45

対話型AIは人より気楽だが、相談相手なら人間に優位性

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ChatGPTなどの対話型AIが進化して、場合によっては人間と話しているのと変わらなく感じることがある。ビジネスパーソンを対象にした調査によれば、使った経験のある人は対話型AIの利便性を認めて大半の人たちが好感を持っているようだが、仕事の悩みなどを相談する相手はやっぱり人間がいいと思っている。また、テレワークについても、気楽なのはいいが、ちゃんと人と対面で仕事したいと思っている人が過半数だ。この微妙なバランスが、今後の対話型AIやコミュニケーションツールの方向性に影響しそうだ。

日本能率協会マネジメントセンターが、従業員500人以上の企業に勤めるビジネスパーソンを対象に、対話型AIとコミュニケーションに関するアンケート調査を行った(回答数は2631人)。その結果、対話型AIについては約半数の人に使った経験があり、使ったことのある人の6割以上が対話型AIの利点を理解し肯定的に考えていた。使ったことのない人は、肯定派が5割を大きく下回る。ところが、「仕事の問題解決」や「悩み相談」は人間のほうがいいと答えたのが、経験者も未経験者も変わらず7割強という結果だった。この傾向は世代を通じてほぼ変わらない。

テレワークに関しては、できるだけ出社したいと考えている人が6割を超え、6割近くが出社したほうが仕事がしやすいと考えている。さまざまなシチュエーションにおいて対面を好む人が多い。コミュニケーションの心理的ハードルが低いのはどちらかという問いでは、対面と答えた人は6割弱と多数を占めたが、チャットツールのほうが楽だという意見は4割強と、テレワーク肯定派のなかではもっとも支持が多かった。
この調査では、対話型AIやテレワークの利点と弱点がよくわかる。事務的な質問では、感情を交えず明確に答えてくれるAIを活用し、人間的な相談事は人間に、と使い分けていることがわかる。テレワークにおいても、リモート会議よりも対面のほうが細かいニュアンスが伝わりやすく、話し合いがうまくいくと多くの人は感じているようだ。

人間よりAIのほうがずっといい、なんて結論でなくてホッとする部分もあるが、間違いなく今後数年で、AIがもっと人間的になりリモート会議で微妙なニュアンスが伝わるようになる。そのとき人間関係がどうなるかは、技術を使う側の意識の問題だろう。過渡期である今は、調査に見られるような使い分けが賢明なようだ。おそらくそれが、今後の技術の発展の方向性を決めていくことになる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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