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2023.09.13

AIブームで急上昇のオラクル株が急落、売上高見通し鈍化で

Getty Images

ソフトウェア大手のオラクルが9月11日に発表した第1四半期(6〜8月)の決算は、投資家を大きく失望させた。これを受け、同社の株価は12日に過去20年以上で最悪の下落を記録し、ラリー・エリソン会長の保有資産は数十億ドル減少した。

オラクルの株価は13.5%下落して110ドルを割り込み、日中の株価としては6月以来の安値をつけた。

フォーブスの試算で、世界4位の富豪であるエリソンの保有資産は1590億ドルから1406億ドル(約20兆円)に減少し、世界のビリオネアの中で最も大きな打撃を受けた。

この結果、エリソンと世界3位の富豪のジェフ・ベゾス(1639億ドル)との資産の差は約235億ドルに広がった。

今回の株価の下落は、オラクルの8月31日までの3カ月間の売上高がアナリスト予想をわずかに下回り、今期の売上高見通しが予想を大幅に下回ったことを受けてのものだ。

「投資家の期待は高かったものの、オラクルの売上高見通しは市場予想を下回った」と、カール・カーステッド率いるUBSのアナリストは説明し、同社の目標株価を140ドルから135ドルに引き下げた。カシュ・ランガン率いるゴールドマン・サックスのアナリストは「投資家は、オラクルが示したガイダンスに失望したようだ」と述べた。

エリソンの資産は、世界5位のウォーレン・バフェット(1227億ドル)を約180億ドル上回っている。

オラクル株の12日までの年初来の上昇率は51%で、ナスダックの上昇率の34%をはるかに上回っていたが、今回の急落によってナスダックとほぼ同水準のパフォーマンスとなった。

同社の株価は、急成長する人工知能(AI)分野のリーダーとしての可能性を示した6月の決算以降に急騰し、史上最高値を記録していた。1977年にオラクルを共同創業し、2014年までCEOを務めたエリソンは共和党の大口献金者として知られ、昨年の中間選挙では約2000万ドルで共和党の上院議員候補を支援した。彼は、来年の大統領選挙に向けてティム・スコット上院議員のキャンペーンに6000万ドル以上を費やす計画と報じられている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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